※ドルパロ(ギャラリーに置いてあるアイドルパロディの世界線のシルデュです。そちらを読まないと意味が分からないことがあるかもしれません)
※時系列:ドーム後、交際宣言前
※パロディにつき一部呼び名変更あり:リドル寮長→事務所長、ケイト先輩→ケイトさん、など
ある昼下がりのこと。今日は俺もデュースもアイドルとしての仕事が入っていない、いわゆるオフの日だ。俺たちは夢だったドームでのライブが終わったあとから恋人として付き合うと同時に、芸能人寮で同居することになっている。だから、休日を一緒に過ごすこともままあった。
あまり頻繁に外出すれば、記者やファンに見つかってしまう確率も上がる。だから、休日は大きな用事がない限りは部屋で共にゆっくりと過ごすことも多い。そんなわけでデュースと何をするでもなくゆっくりとリビングで共にテレビを見ていると、液晶画面には恋愛もののドラマが流れてきた。
「……」
デュースの横顔を見れば、夢中になって真剣にドラマを見ている。何がコイツをそんなに惹きつけるのだろうか、と思い俺も画面を見る。すると、ドラマのシーンは切り替わり、恋人たちを演じる役者二人が泡だらけのバスタブに二人で入っているラブシーンが映し出された。
こんな場面を俺と共に見るのはきっと、デュースのことだから恥ずかしがるのだろうなと思った。しかし、俺の予想に反して、デュースはほうと蕩けた表情を浮かべ、ひとり言のように呟いた。
「……いいなあ……」
「何か、羨ましいのか?」
「え、あっ、シルバー先輩」
なぜ、俺の存在に今気づいたような態度なのだろうか。ずっと隣にいたと思うのだが、ドラマの物語に夢中になるあまり、忘れられてしまっていたのだろうか? それは少し悲しい。
「俺のことを忘れていたのか?」
「うっ、ごめんなさい。つい、ドラマに夢中になっちゃって……」
「まったく」
俺が腕を組むと、デュースはごめんなさい、ご機嫌直してください、と俺の頬にキスをする。……俺はデュースから、頬のキスひとつで機嫌を直すような単純な男だと思われているのだろうか?
「デュース……お前、俺のことをなんだと思っているんだ」
「えっ、先輩キス好きじゃないですか?」
「……」
否定はしないが、肯定もしないぞ、俺は。常々デュースにはキス魔だと思われてはいるが、自分で認めてしまったら何かが負けてしまう気がする。それがなんなのかはよく分からないが。
「そんなことよりも、だ。何を羨ましがっていたんだ?」
「えっ、それは、その……」
デュースは照れたようだ。顔を赤くして、誤魔化そうとする。よし、言わせよう。抱きしめるようにデュースの腕を掴み、逃げられないように捕まえる。
「正直に言ってくれれば、機嫌を直そう。さあ、口にしろ」
「う、うう……! 実は、その……! さ、さっきのドラマで、恋人の人たちが、一緒にお風呂入ってて……」
「ああ、見ていた」
「……その、僕も、シルバー先輩とああいうことしてみたいな、って、思ってたんです……」
ぷしゅう、と音が鳴りそうなくらい顔を赤くして、デュースはうつむく。なるほど、ドラマを見ているときまで俺のことを考えていたのか。コイツは随分俺のことが好きなようだ。嬉しくなって、デュースの頬にキスをし返す。そのまま、耳元でささやいた。
「なら、今日は一緒に風呂に入るか?」
「えっ……!? い、いいんですか?」
「ああ。お前がやりたいというのなら、付き合おう。……お前が正直にお願いできるのなら、だが」
デュースの唇を指でなぞる。すると、デュースは物欲しそうな上目遣いを逸らしたり見つめたりさせながら、ようやく願いを口にした。
「し、シルバー先輩と……一緒にお風呂、入りたい……です……」
「ふっ、よく言えたな。良い子だ」
デュースの頭を撫で、額にキスをする。すると、口にはしてくれないんですかと拗ねられたので、口にもキスしてやった。……こういうことがあると、俺じゃなくてデュースの方がキスを好きなんじゃないかと思うときがあるが、まあ、それはこの際いいだろう。
それなら準備をしないといけないな、とデュースに言えば、準備? とデュースは首をかしげた。
「お前はあの泡の風呂が良いんじゃないのか? なら、適した入浴剤を買ってこなくてはならない」
「い、いえ! そこまで再現しなくても大丈夫です。ただ一緒に入りたい、だけ、なので……」
言っていて照れたのか、デュースの言葉はだんだんと勢いがなくなっていく。
「……今日は共通の休日で、かなり共に過ごす時間が多いと思うが。風呂でまで俺と一緒にいたいのか?」
「うっ、いや、その……っ。迷惑ならすいません……」
「迷惑とは思わない。そんなにも俺と一緒に過ごしたいのかと、嬉しく思っている」
「うう……! 改めて言葉にされると、僕めちゃくちゃ恥ずかしいこと言ってる……!」
慌てて照れるデュースをひとしきり堪能したので、ひとまず満足する。俺の言葉に一喜一憂してくるくると変わる表情が、飽きなくて可愛い。面白い。好きだ。
「ふっ。なら、まずは二人で風呂を掃除するか」
「は、はい! じゃあ僕バスタブの中と道具きれいにするので、シルバー先輩は外お願いします!」
「分かった」
デュースと共に、バスルームへと向かう。デュースはスポンジと洗剤を持ってバスタブの中へ入り、ゴシゴシとその中を磨き始めた。俺も自分の担当箇所を綺麗にしていこうと、ブラシやスポンジを駆使してバスルームの床や壁を綺麗にしていく。
ふと、鏡が目に入り、鏡越しにデュースの様子が見えた。デュースは掃除の合間に、バスタブの中からぴょこりと兎のように顔を出して、俺が掃除する様子を伺っていた。なんだか幼子のような遊びをしているな、と思い笑ってしまう。
「何してるんだ、デュース」
「わ、見つかった!」
「ああ、見つけたぞ」
洗剤の泡が舞う中で、へへ、とデュースは楽しそうに笑っている。真面目に掃除しろ、と額を小突くと、はーい、と笑ってデュースはまたバスタブの中をゴシゴシと磨き始めた。
一通り磨き終えただろうか。全体を流してしまおうとシャワーをかける。水と洗剤と共に汚れが流れていき、バスルームはみるみる綺麗になっていった。バスタブの方は終わっただろうかとデュースの様子を見れば、バスタブの端に腰かけて待っていた。
「あ、シャワー終わりましたか?」
「ああ。待たせてすまないな。もうこのまま流してしまうぞ」
デュースが磨いた洗剤の跡ごと、バスタブ全体をシャワーで流してしまう。汚れた水がみるみる排水溝に飲まれていき、バスタブも一通り清潔になったと言っていいだろう。道具類を洗い流し、濡れた鏡を拭いて、最後に排水溝に溜まったゴミを捨てる。
「これで風呂掃除は完了だな」
「お疲れ様でした!」
バスタブから出てこようとするデュースの足をシャワーで軽く洗い流してやると、冷たい、と言ってデュースはまた笑っていた。
それからしばらくして。二人で夕食を食べ、その間に風呂に湯を張った。これで準備は万端だ。
「ほら、行くぞデュース」
「なんか先輩の方が乗り気じゃありませんか……?」
いざとなったら照れたのか、勢いが弱まったデュースを引っ張り込むようにバスルームに向かう。
「そう見えるか?」
「は、はい。なんか、思ったより乗り気だな、って」
「お前がしたいことは、叶えてやりたい。だからだろうか」
そう答えると、なぜかデュースが大人しくなったので、その隙をついて脱衣所へと連れ込む。
ほら脱げ、と言うとあっち向いててくださいと言うので、じっと腕を組みデュースを見つめて少しの抵抗をする。脱ぎづらいです、とデュースに無理やり壁の方を向かされたので、仕方なく俺も脱ぐことにした。
脱いだ服を次から次へと洗濯機に放り込み、最後の一枚を放り込んだところでデュースの方を振り向く。するとデュースは裸にはなっていたが、タオルを腰に巻いて下腹部を隠していた。
「見たことがないわけでもないのに、隠さなくてもいいんじゃないか?」
「気持ちの問題なんですよ!」
「まあいい。どうせ、すぐに外すことになる」
バスルームのドアを開けて中へ進み、洗い場でデュースを待つ。デュースは失礼します、と言って俺に続きバスルームへ入ってきた。簡易的な鍵を施錠し、脱衣所へ水が漏れないようにする。一般的な家庭のものよりは広いバスルームとはいえ、男二人で入ると少し手狭だなと思った。
とはいえ、身動きが取れないほど狭いわけではない。俺はデュースを椅子に座らせ、まずは髪を洗ってやることにした。
「ほら、デュース。座れ。髪を洗ってやる」
「は、はい……」
「目をつぶっていろ」
シャワーで濡らしたデュースの髪を、指先で梳くように洗っていく。昔は俺も石鹸で髪や身体を洗っていたのだが、リドル事務所長やメイクさん、スタイリストさんなどスタッフの方々から怒られて、今は彼らの指示……というか、半ば強制的な配達によって、専用のシャンプーや石鹸を使わされている。
デュースはちゃんとシャンプーを使っていたそうだが、リンスやトリートメントなどたくさんのものがあると順番や使い方が分からなくなってしまうということで、それひとつで済むというオールインワン? のものを与えられているそうだ。俺も似たような理由で、似たようなものを持たされている。だから、間違えないように「デュース用」と書かれた方のシャンプーを使ってデュースの髪を洗う。その髪を泡立てていると、昔の記憶が蘇った。
「……懐かしいな。小さい頃はよく、親父殿の髪を洗っていた。いつも俺の髪を洗ってくれていたから、お返しだと言って……。今思えば、幼子の手洗いなど、下手だったろうに。いつも、『ありがとう、シルバーは髪を洗うのが上手じゃな』と、笑ってくれたんだ」
「はは。先輩にも、そんな頃があったんですね。僕は、母さんに髪を洗ってもらってたとき、必ず髪の毛で遊ばれましたよ。触覚を作ったり、ぐるぐるに巻いたりして……」
「こんな風にか?」
泡で固めたデュースの髪を逆立て、宇宙人のような触覚を作る。デュースは鏡を見て、笑ってみせた。
「はは、そうそう、そうです! 懐かしいなあ」
「ふっ。そうだな。さあ、また目を閉じろ。水で流してしまうぞ」
「はーい」
デュースの髪を水で流しきり、もういいぞ、と告げる。ぷう、とデュースは息を吐いた。別に、息までは止めなくても良かったんだぞ。
「次は身体だな」
「えっ、か、身体は自分で洗えますよ!」
「遠慮するな。それに、もう準備してしまった」
デュースの身体に手を伸ばし、例によってスタッフの方たちの指示通りの石鹸を泡立てたボディスポンジで端から洗っていく。背中をゴシゴシと洗い出せば、デュースは観念したのか大人しくなった。そのままデュースの身体の前面へも手を伸ばせば、デュースはまた慌てた。
「ま、前は自分でやりますって……!」
「大丈夫だ、おかしなことはしない」
デュースの胸や、腹を洗っていく。いい加減デュースの腰元のタオルが邪魔になってきたので取っ払ってしまい洗っていくと、デュースはうう、と恥ずかしそうな声をあげていた。
「安心しろ。何度も見ているし、なんなら触れたこともある。もし勃っても気にしないぞ」
「なんで全部言っちゃうんですか……!! い、いくら僕でも洗われてるだけでそんな、なりませんよ……多分……!」
その後も恥ずかしがるデュースをいなし、デリケートゾーンや尻なども含め、とにかくデュースの端から端までを洗ってしまう。これで頭の天辺から爪の先まで俺がデュースを洗ってやれただろう。なんとなく達成感と満足感に包まれていると、洗われた猫のようにどこか不満げなデュースが言った。
「僕もシルバー先輩を洗います」
「それなら、頼むとしよう」
デュースと椅子を交代し、まずは髪を洗ってもらう。失礼します、と言って俺の髪を梳いていくデュースの指先と、洗われているシャンプーの香りが心地よくて、つい、眠く……。
「先輩、起きてください!」
「はっ。すまない、つい、気持ち良くて」
「ったく。先輩の居眠り癖は相変わらずですね」
俺は幼い頃から、眠りの病を患っている。人より多く居眠りしてしまう癖があるのだ。親父殿が方々の医者に見せて回ったが、原因は分からず、今日の日までそのままだ。一応、医者がこのままでは生活しづらいだろうと最も似た症状の病名からの診断書は出してくれているので、事務所や仕事先にはそうした事情を伝えることで生活はなんとかなっている。
「面倒をかけてすまないな」
「いいえ。先輩が眠っちゃったら、こうやって僕が起こしてあげますから!」
頭の後ろで、とん、と小さな音がする。ああ、いつものように胸をどんと叩いて任せろと言っているのだろうな。いつも甘えているわけにはいかないが、こうして人に頭を洗ってもらうのもたまには悪くないと思った。
「さ、髪流しちゃいますよ!」
シャワーで髪が洗い流され、視界が開ける。
「身体も洗いますからね! 前も後ろも!」
仕返しなのか、どうやらデュースは俺に何もさせまいとしているようだ。
「なら、お手並み拝見と行こうか」
「ふふん、また気持ち良くて寝ちゃっても知りませんからね!」
そう言うとデュースは俺の背中をスポンジで擦り始める。繰り返されるリズムと、力加減が心地いいな。確かに、眠ってしまいそうだ。背中を洗い終えたらしいデュースが、俺の前半分も洗おうと後ろから手を伸ばそうとする。しかし、うまく手が届かないようだ。
「先輩、こっち向いて」
「ああ」
どうやら正面から洗うことにしたようで、デュースと向き合う形になる。裸のまま、二人で洗い場で向き合っているというのは不思議な心地がするものだな。しかしデュースは洗うことの方に真剣なようで、俺のわずかな照れには気付いていないようだった。
デュースの手が、胸や腹を洗っていく。俺のもの自体や、そのまわり、足の裏までをとても真剣に真面目な顔で洗うから、本来の目的を忘れているのではないかと思ってしまった。
「よし、できた! できました、先輩!」
ひととおりシャワーで洗い流す工程までを完了し、謎の達成感に満ちたデュースがぐいと額を拭う。さっき洗ってやったばかりなのに、もう汗をかいたのだろうか。
「ああ、ありがとう。とても気持ち良かった」
「へへっ、どういたしまして」
「さて、そろそろ本題へ入るか」
すっかり油断しているデュースの身体を持ち上げ、バスタブの中へと下ろす。それからデュースが一通り姿勢を整えたのを確認して、俺もバスタブに座るデュースの後ろへと身体を滑り込ませた。
「どうだ、湯加減は?」
「い、いい、です……」
先ほどまでのリラックスした態度はどうしたのか、デュースは突然にぎこちなくなる。身体が離れているのが不満だったので、デュースの腰を掴んで抱き寄せた。
「ほら、もっとこっちに来い。ドラマではもっとくっついていたぞ?」
「さ、再現まではしなくていいんですって……!」
「だとしても、せっかく一緒に入っているんだ。離れていては勿体ないだろう」
さらにぐいとデュースを引き寄せて背中と胸が密着するまでになると、ようやくデュースは大人しくなる。
「………………」
しかしその耳は真っ赤で、照れているのが丸わかりだ。ドキドキという鼓動も、背中から直接伝わってくる。
「デュース」
「ひゃ……!」
赤い耳が可愛くて、耳元で名前を呼ぶ。デュースはくすぐったがって声をあげた。
「こら、あまり可愛い声を上げるな。我慢できなくなってしまうだろう」
「か、可愛くないですっ」
「そんなことはない。可愛い、デュース」
「可愛くないって……!」
「デュース、可愛い」
「も、せんぱい、声、響いて……恥ずかしい……」
何度も耳元で囁けば、デュースは身体を縮こめてしまう。そんな姿に、ついデュースの身体に手を伸ばして悪戯してしまいたくなるが、まだバスタイムは始まったばかりだ。そう急くものではない。
「響いたっていいだろう? のぼせるギリギリまで、俺の声だけを聞いていてくれ」
「……も……、むりです……!」
「ふっ、そういうところが可愛いんだ、デュース」
「やぁ……!」
デュースの耳元で、甘い言葉をささやき続ける。
「好きだ、デュース。そうやって、すぐ照れるところも」
「う、うう……」
「ドラマに憧れて、真似したがるところも」
「せん、ぱい……」
「キスすると、喜ぶところも」
デュースを振り向かせ、唇を奪う。するとデュースは真っ赤な顔のままぱくぱくと口を開け閉めした。
「お、お風呂でそんな、キスとかしたら……っ!」
「ダメなのか?」
「えっ、分かんないです、けど、ダメ、なんじゃ……!?」
「なら……これからすることは、俺とお前だけの秘密、だな」
「えっ?」
湯の中でデュースの腰をなぞり、デュースのものに触れていく。……なんだ、少し勃ちはじめているじゃないか。先ほどの言葉だけで感じてしまっていたのか?
「あっ、せんぱい、そこ触っちゃ……!」
「言っただろう? 勃っても気にしない、と。さあ、もっと可愛い姿を俺に見せてくれ、デュース」
「や、やあ、あ……っ!」
デュースのものや身体に次々と触れていく。湯の中なので、刺激が与えづらいが、デュースはそれでも感じてくれているようだ。ひょっとすると、普段とは違うシチュエーションだから余計に新鮮な刺激を感じているのかもしれないな。
「可愛い、デュース」
「か、かわいくな……っ、あ!」
「そうやって反抗的なところも、余計に可愛いだけだな」
「あ、ああ、あっ、シルバーせんぱい……っ!」
デュースはぶんぶんと首を振って、気持ち良さそうだ。このまま湯船の中で、達するギリギリまで仕上げてしまったら、そのままベッドへ連れていこう。俺がそんなことを考えているとは、きっとまだデュースは知らないままでいるのだろう。
びくびくと感じ入るデュースの首筋にキスをしながら、手は相変わらずデュースのものの先端をいじる。
「や、やっ、あっ、せんぱ、い……っ! そんな、やあ、シルバーせんぱい……っ!」
デュースの体からかなり力が抜けたのを感じたところで、デュースの腰を持ち上げようとした。
するとデュースは、俺の方へ向き直る。
「後ろ、触るん……ですか……?」
「ああ、そのつもりだが……問題があったか?」
「いえ、でも、その……、このまま熱くなると、のぼせちゃいそうなので、せめて、外で……」
「……分かった」
デュースの身体を抱き上げ、洗い場へ出る。
椅子に座り、抱いたままのデュースを膝に乗せ、その後ろをほぐしはじめた。
「あ、あ……っ、シルバー先輩……っ!」
湯で濡れたデュースの身体が、ぴたりと密着してくる。目新しい感覚に理性を飛ばさないように気をつけながら、デュースの後ろを指で一本ずつ丁寧にほぐしていった。
やがて、デュースの後ろが存分にほぐれた頃。デュースはもう、はあはあと熱い息を吐いている。
「大丈夫か?」
「だい、じょうぶです……」
ここまでしておいてなんだが、デュースの身体にあまり負担をかけてはならない。軽く手で額の熱を測り、少し熱いがまだ大丈夫そうだと判断した。
「そろそろ挿れるぞ、デュース」
「は、い……」
デュースを正面に向かせて四つん這いにし、後ろからずぷりと自分のものを挿し込む。そうして身体を抱きあげれば、デュースは椅子に座る俺の膝に座るような体勢になった。いわゆる、背面座位というやつだろう。
「あ……っ!」
「この体勢になるのは初めてだな……辛くはないか?」
「だい、じょうぶ、ですけど……っ、あ、あ、んっ! だめ、動いちゃう……っ」
デュースはどうにも気持ちいいようで、腰を自ら上下に動かしていく。俺はそんなデュースの快感をもっと上げてやろうと、後ろから首筋に顔を埋めてくちづけつつ乳首に触れてやる。
「動いていいぞ。ほら、もっと気持ち良くなれ」
「や、やあっ、シルバーせんぱい、だめ……っ」
だめ、と口では言いながらも、デュースの腰の動きが止まることは無い。ふと、息を吐いて正面を見ると、鏡に自分たちの姿が映っているのを目にした。……少し、意地悪をしてやろうか。
「デュース、前を見てみろ」
「ま、え?」
「ああ。……鏡があるだろう? 何が映ってる?」
「あ、や、やだ……っ」
身体をよじって逃げようとするデュースをがちりと捕まえ、デュースのものをいじる。
「あっ、やだぁっ、せんぱい、僕、僕鏡にうつって……っ」
「ふっ、恥ずかしがるな。見てみろ、鏡の中のお前はとても気持ちよさそうで可愛いだろう?」
「やだ、先輩、僕、ぼく……っ」
嫌だ嫌だと泣きながらも、俺が動かすまでもなくデュースの腰は動いている。俺は時折浮きがちになるデュースの腰を捕まえ、角度を調整してやるだけで良かった。
「あっ、先輩、そこだめ……っ!」
「俺は何もしていない。お前が自分で動いて当ててるんだ」
「そ、んな……っ、はず……っ」
「嘘だと思うなら、鏡を見てみたらどうだ?」
「や、それはやだぁ……っ」
こんな可愛い反応をされてしまうと、まだまだデュースをいじめたくなるが、コイツにも限界というものはあるだろう。
自分では上手く当てられないようだし、良いところを俺が突いてやらなければならない。
「仕方ないな、ほら。デュース、そのまま壁に手をつけ」
「ふぇ……?」
デュースの腰を持ち上げて足を立たせ、鏡の前に手をつかせる。
「しっかり力を入れていろ。……お前の好きな場所、突くぞ」
デュースは不思議そうな顔をしていたが、ゆるゆると腰を動かし始めれば、すぐに合点がいったようでまたデュースの喘ぎ声がバスルームに響いた。
「あっ、あっ、ああっ、シルバー先輩ぃ……っ」
「デュース……」
「や、やあ、ダメ、ぼくかがみうつって、やだ、はずかしい、いましちゃだめぇ……っ!」
「……デュース」
「や、やあ、やだっ、せんぱい、ぼくも、チカチカして、イっちゃう、ぼく、イっちゃ……!!」
「……くっ……!」
ぎゅっとデュースに締め付けられ、俺もデュースの中で達する。くたりと力が抜けたデュースの体を支え、後始末をしてやらねばならないな、と考えた。
*
ぼうっとした意識がハッキリしたときには、バスタブの中でシルバー先輩に抱きかかえられていた。
「あ、あれ……? 夢?」
「夢じゃないぞ。さっきまでそこでしていた。身体が冷えていたから、一度温まった方がいいと判断した」
「そう、だったんですか」
脱力してシルバー先輩の背中に寄りかかると、シルバー先輩はまるで自分のものだとでも言うように僕をぐっと抱き寄せてくれた。
……不思議だ。シルバー先輩とえっちなことをすると、そのあとしばらくは、シルバー先輩のものになったって感じがして、くっついていてもあまり恥ずかしくない。
「せんぱい、キス」
「良くないんじゃなかったのか?」
笑いながらも、シルバー先輩はキスをくれる。
「僕たちだけの秘密だから、いいんです」
「そうか」
シルバー先輩は笑って僕の頭を撫でてくれる。こっそり憧れていた恋人とのバスタイムは、この時間が終わるのが惜しいくらいに、甘い甘い思い出になったのだった。
*おしまい
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