・♡喘ぎ、濁点喘ぎあり
・R18程度の性描写あり。18歳以下かつ高校卒業未満の方は閲覧をお控えください。
・シルバーひとり部屋設定
・媚薬ネタ
以上大丈夫な方はスクロール↓
困った。
非常に困ったものだ。
先日、デュースと恋人として付き合い出してからというもの……、いや、その前から。
俺は、デュースに触れたくて仕様がない。
事の起こりは、星送りの祭りにまで遡る。あのとき、ずいぶん熱心に頑張っている後輩だ、と思い、それが家族のためだと知ってから、俺は彼に尊敬と親愛の念を持つようになった。以来、デュースのことを気にかけることが多くなり、そしてその想いは、いつでもひたむきな彼を見ていくうちに、だんだんと熱を増して、たとえば、姿を一目見かけるだけでも、おはようと一言交わすだけでも、一喜一憂して幸せになるような、そんな心地へと変わっていった。そのうちに、俺の心は、彼に同じ気持ちを望むようになり、そんな自分に驚きを覚えた。……恋の自覚だ。
そう、そこまでは良かった。純粋でこそばゆく、少しだけ恥ずかしいような、ごく当たり前の恋の道程だ。けれども俺の気持ちは、そこで終わってはくれなかった。
ある日、デュースのことを、ふといつものように思い出した。今思い出しても、流星の灯かりに照らされて踊る彼の星送りの舞は本当に美しかったなと。ただ、そう感嘆していただけだったというのに。何故か、その日の俺は、デュースのことを思い出して、その肌に、細い肩に、くちづけたいと思ったんだ。あの白い肩に、俺のものだという証を点々と残すことができたら、と。
そんなことを考えてしまったと自覚したとき、俺は慌てて自分の頭を殴った。いったい、何を邪なことを考えているのか。まだ、付き合っているわけでもないのに、そんなことを考えるなど……。デュースに対して失礼だ。と、そんな行いを繰り返していた頃、デュースから、秘めたる想いを告白された。向こうも俺と同じように、星送りの祭りを過ぎた頃から、ずっと俺を尊敬し、憧れてくれていて、次第に俺のことが好きになっていって、とうとう隠しきれなくなったのだという。デュースが同じ気持ちを持っていてくれたことが嬉しくなって、俺は同じ気持ちを持っていることを打ち明け、デュースの告白を了承した。ただ、それからだ。問題が起きたのは。
俺は、これでデュースと付き合い始めることとなった。恋人という関係になった。触れたければ遠慮なく触れてもいいような関係に、なってしまった。それはある種、今まで俺のことを諫めてくれていた理性を支えてくれていた、『恋人でもないのに』という絶対の柱のひとつが失われたということでもある。
デュースは恋人になってからというもの、時折、恥ずかしそうに俺にくちづけをねだってくることがあるようになった。
「僕たち、もう、お付き合いしてるんです、よね……?」と。
そんなデュースの赤く染まった頬を、耳を見ていると、すぐにでもくちづけを何度でも与えて、瞳も吐息もとろかして、どこか適当な部屋にでも連れて行って、それ以上の快楽を与えてどうにもならなくしてやりたくなり――そんな夢想に辿り着いたところで、俺はいつも頭を振るんだ。そして、デュースの額にキスをして、頭をぽんと撫でてやる。本当は強くきつく抱きしめてやりたいが、そんなことをしては、何もせずに帰してやれる自信がない。
だから、物足りなさげというか、どこか淋し気なデュースの表情に申し訳なく思いながらも、そうしていた。デュースに無体を強いたり、無理やり行為に至って、乱暴に扱って、恐怖を与えるようなことだけはしたくなかったから。
そんな本能に耐える修行の日々を過ごしていたある日。俺は、学園外からの呼び出しを受けた。どうやって結界のある学園内部に手紙を届けたのか、放課後校門前に来てくださいという、女子のものらしい字での手紙が入っていた。相手からの一方的な約束とはいえ、無碍にすることはできない。約束の時間に校門前へと赴くと、そこにはやはりどこか知らない学園の制服姿の女子が待っていた。
大方の予想通り、内容としては愛の告白だった。だが、先に述べた通り俺にはもうデュースという恋人がいる。だから、もう付き合っている人がいるからすまないと断ることになるだろう。そうすれば、大抵の女子は涙を呑み、身を引いてくれる。今回もそのはずだった。
が、目の前の女子は、俺の言葉を聞くと、なら、せめてこれを飲んでくださいと何がしかの魔法薬を渡してきた。マレウス様にお仕えする護衛として、己の身に何が起こるかも分からないのに、そんな得体の知れないものを飲むことはできないと断ると、彼女は毒じゃないからと強く説得してくる。それでも俺が頑として断り続けると、彼女は激昂して、とうとう俺に向けて小瓶を投げつけるように、その中身をぶちまけた。咄嗟に腕で庇ったが、それでも身体にはばしゃりとピンク色の薬品がかかってしまった。これで満足か、と苦々しく告げ、その場を立ち去ろうとする。すると、妙なことに身体からかくんと力が抜けた。その隙をついて、女は俺の身体に覆いかぶさる。
「やった……これで、今は他の人がいても、最後は私を選ぶことになるんだから……!」
俺は、その言葉を聞き、力の入らない身体に無理やりふり絞った力を入れて、彼女をぐいと押し退けた。それでも薬が効いているのか、すぐに彼女は元通りの体勢になろうとする。俺は、それを腕で防御する。
「俺は、そんなことをされても、このような手段を取る人を、選びはしない」
それに、と続ける。
「こんなことから始まっても、誰も、幸せにならない」
「それでも、いいの。貴方が他の人のものでい続けるよりは……!!」
「……愛した人の、幸せを壊そうというのか……、愚か、だな」
息がだんだん上がってきて、今にも、意識が薄れそうになる。駄目だ、このままでは。誰も幸せになれない結末になってしまう。そう、思ったとき。女性の身体が、急にばたりとくずおれた。俺に倒れ掛かってきた女性の様子を見ると、意識を失い眠っているようだった。何が起こったのかと思って顔を上げると、そこには見慣れた顔があった。
「親父殿……」
「ちょいと厄介なおなごに絡まれとったようじゃの、シルバー」
俺は、安心したのも束の間。今にも失いそうだった意識と襲い来る眠気に、意識を手放すことになった。
それから、次に目が覚めたのは、ディアソムニア寮の談話室だった。薬の効果が切れていないのか、身体はまだ火照って熱い。上体を起こすと、親父殿がもう起きて平気かと尋ねた。
「親父殿、俺は……」
「うむ。説明しよう」
親父殿の話によると、俺はあの後、ディアソムニア寮に運ばれ、少しの間眠っていたらしい。襲ってきた女性の方は、然るべき場所に送り届けておいたから心配がいらない、とのことだった。
「そう、なのですね……」
ぜえ、はあ、と息が上がる。あの薬は一体、何の薬品だったのだろうか。それにしても、変だ。なんだか妙に浮き足立って、おかしな気分になる。
「……ありがとう、ございます、親父殿……。ですが、まだ、体調が優れないようで……。……俺は、部屋にいようと思います」
「ああ。人払いはしてやるから、ゆっくり休んでおれ」
「はっ、失礼します……」
なんとなく、気づき始めていた。あの女性が、何の薬を俺に与えたのか。それは、今、まずいことに、理性を保ちたかった俺にとって、非常にまずい成分が含まれていたのではないか、と。なんせ、身体から、おかしな気分を誘発するような、濃く甘い匂いがする。親父殿もそれを察した上で、ただの体調不良のように扱ってくれているのだろう。気遣いに感謝しながら、俺は自室へと戻った。
*
シルバーが去った後、ディアソムニア寮の談話室では。
「ふん、相手が女だからと油断したな、シルバーめ。それにしても、シルバーの奴がああまでなるとは……。一体どんな薬をかけたんだ? 女というのは恐ろしいな……」
一連のことを見ていたセベクがそんな疑問を浮かべた。それに対して、マレウスが同調する。
「ふむ、確かに。あとで見舞いにでも行ってやった方が良いかもしれないな。セベク、何か品物を用意してやるといい」
これはまずい。シルバーの名誉のため、これを止めることにする。
「あー、やめとけやめとけ。おぬしらが行っても、今は邪魔なだけじゃ。なんなら余計にシルバーの身体への負担になろうて」
「そうなのですか?」
「そうなのか?」
……ひょっとしてこれ、こやつらまったくあの薬の正体に気づいとらんな? ちぃとピュアに育てすぎたわ。シルバーが気づいとったくさいのが奇跡のレベルじゃな。
「うむ。やるならやるで、そうじゃな。あー、ほれ。あやつ最近恋人作っとったじゃろ、ハーツラビュルのデュース。あれを差し入れるくらいにして、あとは部屋に近づかずそっとしておくんじゃぞ」
気づいてくれんかのー。こんな匂わせじゃ気づいてくれんじゃろうな~。
「なぜ、僕たちがダメでデュースは良いのですか!?」
ほらの~。適当に誤魔化しとくか。
「ん? ああ、ほら、病身の際には人恋しくなるものじゃろ。恋人のひとりやふたり、会いたくなるものじゃ。病は気からとも言うじゃろ? ちょっと会わせて話でもさせてみよ、さすればシルバーもすぐに元気になろうて! ……なーんてな。ま、それは冗談として……今はひとりにして、そっとしておいてやるのが一番の薬じゃぞ」
それからまずいことを言ったかもしれんと後悔したのは、目の前の二人が最後まで話を聞いていたのか否か、わしの話にも一理があるかもしれない、なるほどとセベクとマレウスが顔を見合わせてデュースの元へ赴いた、その後のことじゃった。
*
「は、ふ……っ」
どうにかこうにか身体を引きずり、部屋に入るなりベッドに横に倒れる。身体が熱い。息が苦しい。今にも切なくもどかしくて堪らなくて、身体のどこかがはちきれそうになる。とにかくこの、身体の奥から己の体を突き上げるような欲を処理してしまわなければならないと、手を伸ばそうとするも、それさえうまくできない。
(あの女、どんな強い薬を……っ)
もう少し、薬の効果が薄くなるまでは耐えている他ないようだと、枕やシーツをぎゅうぎゅうに皺が寄るほど掴んで、ただひたすら耐えている。
「……はあ、はっ、ふっ、うう……、んん……っ」
枕を噛みつけ、定期的に襲ってくる身体の感覚に耐えていると、唐突にドアがガチャリと開いた。
「誰、だ……」
「僕だ! ふふん、シルバー。喜べ! 僕と若様から、貴様に差し入れをしてやろう!」
「今はいいから、出ていけ……」
セベクはまったく俺の様子を目に入れてないどころか、言葉すら聞いていないようで、何か大きなものをぽいと部屋に投げ入れると「ではな!」と扉を閉めて出て行ってしまう。何が置かれたのかと身体を起こそうとするが、うまく力が入らない。
「一体、なにが……」
勝手に滲む涙でぼやける視界を瞬くと、そこに映ったのは、愛しい恋人の姿だった。
「デュー、ス……?」
「先輩……大丈夫、ですか?」
ベッド脇にかがんだデュースは心配そうに俺を見ている。何故、コイツがここに? 差し入れ、というのは、デュースのことか? ダメだ、頭が混乱して、うまく考えることができない。ともかく、一刻も早くこの部屋からデュースを逃がしてやらなければと、それが俺の中での最優先事項になった。
「デュース、でて、いけ。はやく」
「そんな、苦しそうな先輩置いて出ていけませんよ! それに、ドラコニア先輩たちが言うには、僕がいればシルバー先輩が治るのも早くなるんだって言ってたし……」
マレウス様が、そんなことを? 何か、勘違いされているのではないだろうか、いや、そんなことはどうだっていい。ともかく、デュースに、ここにいるのはデュース自身の身が危ないんだと、分かってもらわなければ。
「ここにいては、いけない。お前の身が、危ない、から」
「どう、危ないんですか」
「それ、は」
……仕方ない。俺の恥ではあるし、なんなら、せっかく恋人となれたデュースにも、気味悪がられて、気持ちを冷まされてしまうようなことかもしれないのだが、白状する。今現在の、俺の状態を。
「お前、を。めちゃくちゃに、してしまう」
「……へっ!?」
デュースは一気に顔が真っ赤になる。可愛らしいが、今は、そんなことばかり思ってもいられない。
「ずっと、お前に、触れたかった。何度も、夢の中で抱いた。そんな中、今日、とある女性に、告白の呼び出しを受けたのだが、断るや否や、薬をかけられてしまい、……その薬が、性的興奮を高める、いわゆる、媚薬の類、で……」
はあ、と熱い息が口から漏れる。
「だから、今、お前に目の前にいられたら、触れたくて……仕方がない。まだ、くちづけもろくに交わしていなかったのに、そんなことになってしまえば、俺は、お前に合わせる顔が、ない」
「先輩……」
分かったら、と扉の方に視線をやり、出ていくように促すと、デュースは立ち上がった。良かった、これで……。そう、思ったのも束の間。俺の唇に、ふに、と柔らかなものが当たった。これは、これ、は、これは。
それを理解するよりも先に、俺の身体は無意識に動いて、目の前にある存在の、その身体を引っ張って、ベッドへと押し倒して、押し付けるようなキスをした。デュースの靴が、床に落ちる音がした。
「ふっ、んんっ、ふっ……」
くちづけの合間に、甘い吐息が漏れる。そのわずかな声が含まれた吐息だけで、俺は、もう、駄目になる。何度も、何度も押し付けるようにくちづけて、涙が滲んで、すりすりと首元をさすって、相手の欲をそそるように指先で撫ぜて。
「は、デュース……っ」
「せん、ぱい」
デュースの首元に、顔を埋める。媚薬の匂いよりも甘く俺を誘うシトラスの香りが鼻腔いっぱいに広がる。
「は、どう、して……」
孔雀色の瞳を見つめて、最後にわずかに残った理性が、そんなことを問いかけた。デュースは俺の頬に触れ、ほほ笑みかけた。
「先輩のせいじゃない、です。悪いのは、出てけって言われたのに、ここに残った僕だから。ガマンしてる先輩に、悪いことしたのも、僕だ。だから……」
この後どうなったって、僕の自業自得なんだって思って、何も気にせず、好きにしてください。
……後悔しても、もう遅いぞ。そんなことを言えたかどうかも分からず、普段ならはねつけるような、そんな言葉を、俺は、ただくちづけと共にデュースに再び飲み込ませた。
「ん、んぅ……!」
「は、ん……、ふっ……」
「ん、んぐ、んぅ……っ」
デュースの狭い口の中に、ねじこむように舌を入れて、貪り尽くそうとする。息も絶え絶えになって、目に涙を滲ませ、頬に赤みを帯びていくデュースが、可愛い。食べてしまいたい。おかしくなっていく思考は留まることを知らず、あろうことか、デュースにジャケットとベストを脱いでくれと懇願する。デュースは言われた通りに大人しくネクタイから順番に服装を解除し、じきに白いYシャツだけになる。
そこまで来ると、俺はもう我慢ができなくて、再びデュースを押し倒して、薄いシャツの上から、デュースへの愛撫を始めた。白いYシャツ越しに、くちづけだけで既に興奮したのか、シャツをわずかに押し上げて丸い突起を形作っているデュースの乳首を舐める。
「あっ」
デュースが手で己の口を塞ぐ。ああ、ぜひそうしていてくれ。これ以上、お前のそんな声を聞かせられたら、俺は今以上にどうなるか分からない。デュースの乳首を、舐め、転がし、食み、噛む。
「んっ、んんっ、……ぁ、せん、ぱい……っ」
「は……、気持ちいい、のか、デュース……っ」
「ん、ぁ、やぁっ……!」
「は、デュース、もっと……」
「ん、んぅ、んん、ん……っ!」
たっぷりと舐ってやって、唇を離せば引くような糸を親指でぬぐって、もう一度かぷりと噛みついた。
「あっ、やぁ……!」
ぐりぐりと舌先でデュースの乳首を弄ぶ。硬くなっていく感触が、舐め取る度に分かっていって、もっと、もっとと、飴玉のように転がす舌の動きが止まらない。止められない。
「せ、せんぱい……っ」
デュースの手が、俺の頭を掴もうとするが、力が入っていない。ここだけでも、既に快楽へ導いてやってしまいたい。だけど、もっと。もっとだ。まだ、全然足りない。俺のすべてで、コイツを愛してやらなければ。
舌先で弄ぶのとは反対の乳首を、くにくにとこちらは指先でいじる。爪の先で引っかくようにしてやれば、ますますデュースからは甘い声が上がった。
「や、ぁん、爪、だめ……っ!」
「は……、なぜ、?」
「だ、って、それ、……んっ、せんぱ、やぁあ……っ! あ、息、息ふーってするの、だめぇ……っ♡」
食んでいるデュースの乳首に、ふうー、と息を吹き込み、それからまた味わい尽くすように下から上に、何度も舐める。躾を忘れた犬のように、何度も、何度も。その度に跳ねるデュースの肩が、いやだいやだと振られる首が、白いシャツから覗く、赤く染まった首筋が、俺を逸らせるから。そうしてシャツの上から繰り返し乳首をいじめ続けていると、やがてデュースが音を上げた。
「ぁ、や、僕、も、むね、や、せんぱ……っ」
「……胸が嫌なら、こちらか?」
「あ……!」
白いシャツの隙間からその細い腰を指先でするりと撫でていき、ベルトを緩めたズボンのジッパーを下ろし、勃ち上がり始めているそれを下着の上から触ってやる。ここも指先ですり、と撫でてやれば、それだけで気持ちよさそうにデュースは身体をよじった。
「デュース」
デュースの首筋に顔を埋め、鎖骨にキスをしながら、デュースのそれを、下着越しにすりすりと指先で焦らすように撫でてやる。それでもデュースはつま先をぴんと伸ばして、気持ちが良さそうだ。足の裏をくすぐるようにしながら、靴下を脱がせてやる。
「あっ、せんぱ……」
「デュース」
デュースの身体をひっくり返し、ぷちぷちとシャツのボタンを二つほど外す。それで、中途半端に露になったデュースの背中にちゅ、ぢゅ、と音を立てて吸いついて、くちづけの跡を落とした。もちろん、デュースのものに指先ですりすりと悪戯を続けることは忘れないまま、ついでに空いた手で先ほどまで散々舐っていた乳首も刺激しながら。
「あっ、ああ、せんぱい、シルバーせんぱい……、っ」
じわじわと迫る快感に襲われているようで、デュースは必死な様子で枕にしがみついている。赤く染まった肩が、背中が、跳ねる尻が、可愛くて堪らない。ふう、と背中にも息を吹きかけてやると、デュースは、あ、ああ、と吐息を漏らしてびくびくと身体を震わせた。
そんなデュースの背中を見ていると、良いことを、いや、良からぬことを思いついた。デュースの足を膝で割り、下からぐりぐりと膝でデュースのものを刺激する。そうして、空いた両手は再びデュースの乳首をくにくにといじる。
「あっ!? あっ、せ、せんぱい、それ、それぇ……っ!」
れろ、と舌はデュースの背中を舐める。それだけでもデュースはびくんと身体を大きく動かした。そのまま、デュースの身体を満足するまで背中からいじめる。どこから食べても、うまそうだ。
「ん、は……デュース……」
「せ、せんぱ……、あ、あぁ、ん、ぁ……っ♡ ……ぁ、ぁ、あんっ!」
一際大きくデュースが鳴いたのを合図に、俺は、とうとうデュースの服の中に手を入れた。乳首をいじっていた手も、デュースのものを下着越しにいじっていた手も、両方。まだ幼さの残るデュースの滑らかな素肌に触れ、妙な背徳感と達成感が背筋をゾクゾクとなぞり上げる。
「ぁっ……、ちょ、ちょくせつ、やだぁ……っ♡」
「デュース……」
身体の力が抜けて、身をよじりながらベッドへと横向きに倒れこんでしまいそうになるデュースを、追いかけて捕まえる。このベッドの上ではもう、デュース、お前を俺から逃がしはしない。最後に背中をぺろりとひと舐めしたあと、デュースの耳たぶにキスを落とし、耳の裏を舐めた。当然、手の方の悪戯はやめていない。
「デュース……、好きだ、デュース。可愛い……」
「ぁ、ああ、や、せんぱ、も、ぼく、いっ、イ……っ♡」
ふるふると小さく首を振るデュースが可愛い。もう、既に達してしまいそうなのだろうか。それなら、顔が見たい。正面から向き合えるようにと、デュースの身体を再びひっくり返した。正面から顔をじっと見ると、デュースは恥ずかしそうに顔を隠した。
「や、せん、ぱい、見ない、で、ぼく、いま、ぐちゃぐちゃで……っ」
はあ、はあと興奮した熱い吐息をこぼすデュースを、思わず強く抱きしめる。
「あ……!」
ぎゅっと強く抱きしめ、身体を寄せると、どうやらいきり立った俺のものがデュースのそれに当たってしまったらしかった。デュースの身体を、俺の腰の上に改めて乗せ、わざともの同士が当たるようにしてしまう。
「せん、ぱ……っ」
もの同士がたまにぶつかり、擦れ合う刺激だけでも、デュースは気持ちいいようだ。手を伸ばし、ぎゅっと俺の背中にしがみついている。俺はそのままデュースを押し倒し、ずるりとぐしゃぐしゃになっている下着とズボンを脱がせた。
「や……」
デュースには抵抗する力も残っていないようで、ただ、目だけで見ないでくれと訴えてくる。俺は黙って、窮屈さを訴えていた自分のものも露にして、それから、デュースのものと一緒にしごき始める。
「ぁ、やぁ、これ、ぬるぬるして、きもちい、や、だめ、だめぇ……っ♡」
「は、デュース、デュース……っ!」
「や、やぁあっ、せんぱ、シルバーせんぱ……っ! ぁ、ぁん、あ、ああ……っ! んぅ、っ♡ ふ……っ♡」
デュースの腕が、必死に俺にしがみつく。俺も、デュースにしか夢中になっていられない。その首に香る甘いシトラスの匂いで全身を満たすよう、いっぱいに吸い込んで、耳元に落ちる甘い吐息を逃さず受け取って、全身の血流が滾ってしまいそうなほどの熱が俺を沸かして。
「はあ……っ、もっと、もっと欲しい、デュース……っ」
「……ぁ!? ゃ、やあ、せんぱ、せんぱいっ、いま、そんな、いま激しくしたら、あ、ああっ……! ま、待って、ダメ……、だ……っ、~~~~っ♡」
ふっ、ふぅ、とデュースが短い息を繰り返し吐くようになる。ああ、達したのか、達するのが近いのか。どちらが近いのかも分からないが、俺もだ。俺も、絶頂が近い。
「デュース……っ」
「シルバー、せん、ぱい……」
擦り続けて、最高潮へ達しようかというその瞬間、デュースの唇にキスをする。口内を奥までぐりぐりと貪り、感情と欲望のままに俺とシーツの間へデュースの身体を押し付けると、デュースは足と肩を大きくびくびくと揺らして、喉の奥から声にならない声を上げたかと思うと、大人しくなった。
「は……」
俺も、なんとか最初よりは落ち着きを取り戻す。一度達したことで、多少は冷静になれたみたいだ。身体の下に挟み込んだデュースの様子を、大丈夫かと改めて眺めた。それが良くなかった。
「デュース、だいじょう、ぶ、か……」
「……ふぁ……?」
だらしなく口の端から涎を垂らして、頬は上気し、濡れた瞳はうっとりと惚けてどこかを見ている。身体は汗と涙と、様々な液体でぐしゃぐしゃになっていて、なんて無防備な姿だろう。俺は、そのまま。そのまま、気が付いたら、デュースの身体へと、再び手を伸ばしていた。
「しるば、せんぱい……?」
「デュース……、はっ……、もう、一度」
「……へ……? ぁ、やぁっ!」
デュースの答えを待たず、俺の手はデュースの中へと指を挿れ込む。ナカを探る指が、辺りの液体を使ってくち、ぐちと音を立てる。デュースはその指を見て、音を聞いて、「あ、」と恥ずかしそうに顔を逸らしている。
「逸らすな……、ちゃんと見ていろ」
「い、いや、です、恥ずかし……」
「俺が、お前をこうしているんだ。他のどの男でもない、俺が。……お前の目にも、刻み付けろ」
嫌なら身体に直接教えこんでやる、と、デュースのナカに入れた指で、ぐり、とナカを刺激した。
「~~~~~~~っ!!」
デュースはそれだけで、声にならない声が上がる口を両手で押さえながら、びくびくとまた身体を震わせる。そのまま指を増やし、二本の指でわざとぐちゃぐちゃと音を立てながら、デュースの耳元でひたすら低く囁く。
「デュース。好きだ、可愛い……、は、お前は、俺のものだ、いいな?」
「せ、んぱ……、っぁ、んく、うぅ……っ♡」
「名前を、呼べ」
「せんぱ、シルバーっ、せんぱいぃ……っ♡ あ、ああ、だめぇ……っ」
「ふっ、こんなに、ぐちゃぐちゃになってしまって……。俺に、こうされることを望んでいたのか?」
ナカを指先でぐっと押しつけながら、ぐちゃぐちゃになっている前のそれを手のひら全体で包んでゆるやかにしごき、ぐちゅりと音を立て、いやらしい子だな、と囁けば、デュースは、びくりと大きく身体をまた震わせた。
「あ、ごめん、なさ……っ、ぼく、せんぱいに、もっと、いろいろしてほしくてぇ……っ!」
「……そう、だったのか?」
「せんぱ、い、せっかく、すきになれたのにっ、おでこのちゅーしか、してくれないからぁ……っ、ぼくばっか、ってぇ……っ」
「デュース……」
あれは、単に俺の理性が決壊して、デュースを恐ろしい目に遭わせたくないから我慢していただけのことだったのだが。……それがデュースを不安にさせていて、あまつさえこんな結果を招いてしまったとは。
「すまない。本当は、ずっと、お前を、こうしたかったんだ」
デュースのナカに入れた2本の指で、1本はとんとんとリズミカルに感部を刺激させながら、もう1本はナカを不定期にかき回させる。気持ち良くなれるように、前をゆるゆるとしごいてやることも忘れずに。
「あっ、せんぱ……、あ、ああ、だめ、ダメ、ナカ、ナカぐちゃぐちゃにしちゃ、あ、そんな、ぁ……っ♡」
「だから、怖がらせたくなかった」
言葉とは裏腹に、俺の不埒な指はさらにもう1本の指を入れてしまおうと、デュースの入口を広げている。
「だが、お前も望んでいるというのなら……。いい、だろうか、デュース」
「あ、は、はい、せんぱ、シルバーせんぱい……♡」
デュースは涙でぐしゃぐしゃになりながらも、それでも俺をまっすぐに見て、手を伸ばしてくれる。俺はその手に、ありがとうと頬を寄せた。
「ひとつになりたい」
こくりとデュースがうなずいたのを認めて、俺は、傍に置いていた避妊具の蓋を口で切り取り、とうとう自分のものをデュースのナカへと押し込んだ。
「ん……!」
「デュース……」
「あ、これ、はいっ、挿入って……んん、んっ♡」
「は……っ、こら、逃げるな……」
「だ、ってぇ、気持ち、い、んっ……!」
逃げるデュースの腰を捕まえ、ぐっと力を込める。
「ん、んん゛~っ……♡」
「デュース……、ふ、」
デュースのナカは熱くて、せっかくほぐしたのもどこへ行ったのやら、きゅうきゅうと俺を締めつけてきて、なかなかにキツい。だが、その分……快感が俺の中にある、獣のような何かを呼び覚ます。
「ぅ、あ、せんぱ……っ」
「は……っ、デュース、すまない、もう、我慢できない……っ」
「うぇ? あ、ぁあ……っ!」
挿れた傍から、俺は、デュースのナカで律動を始めてしまう。身体をキツく抱きしめながら、腰を動かして、デュースのナカにあるカベを、何度もトントンと叩く。
「あ、ん、ぁ、あっ♡ せんぱ、やっ、なか、なかトントンしちゃ、やぁ……っ! ん、ぐぅ、う、う゛~……っ♡」
「デュース、デュース……っ」
かき回したり、叩いたり。デュースをようやくこの身この身体で好きなようにできるという気持ちだけが俺の体を動かしている。合間に、デュースにキスをして、上下構わず、舌でもとにかくデュースをひたすらかき回す。
「ひぁっ、ん、ぐぅっ、ゃぁ、ああ……っ! ん、んん゛~……っ♡ や、やぁ、好き、せんぱい、すきぃ……っ♡」
デュースはもう、息も覚束ないどころか、視界すら危うそうだ。そんなになるまでデュースをしてしまったのが俺だという事実が、俺の頭におかしな興奮をもたらす。キツく強く抱きしめて、デュースの奥の奥へ、ずぷりと挿れる。ぐぷ、と音がして、デュースが俺を受け入れてくれた心地がした。
「デュース……、欲しい、デュースっ、お前が欲しい……お前だけが、何よりも……っ!!」
「ん、ん、ぅ、あ、ぐ、ふっ、ん、んん゛っ、も、あ゛っ、せんぱ、せんぱい、も、ぼく、いっ、イッ、イ゛ッ……、~~~~~~~~~~~っ!!!!」
デュースは、再び先にイってしまったようだ。だが、俺は、まだ、それでは止まれなかった。
「すまない、デュースっ、あと少しだけ、ガマンしてくれ……っ!」
「や゛っ、や゛ぁっ、ぼく、ぼくいまイッたばっか、せんぱい止まってぇ……っ!」
そんなデュースの叫びも虚しく、激しく腰を打ち付ける俺の動きは止まらなかった。
「デュース、好きだ、デュース、デュース……っ!」
「あ゛っ、あ゛あ゛~~~~~っ、は、ぁ、あ、ん゛~~~~~~っ!!」
「は、ぐっ……!」
どぷり、と何かが出ていく音と感覚がした。強くキツくデュースにナカを締め付けられ、俺もとうとう、デュースの中で達してしまったらしい。はあ、と落ち着くまで息を吐いたところでようやく理性が戻ってきて、ハッと思わず強く抱きしめたデュースの身体を離してやり、ナカのものをずるりと引き抜く。
ひゅ、と短く息を吐くデュースの前髪をさらりと撫でると、デュースは薄く目蓋を開けた。
「せん、ぱ……」
「……すまない。落ち着いた」
「………………」
デュースはまだ意識がハッキリしていないようで、俺の身体にすり、と頭と身体を寄せてきた。抱き寄せてやると、疲れてしまったのか、デュースは目蓋をとろんと落として眠ってしまった。俺も、眠気がやってきたらしい。つられて目を閉じる。
次に目を覚ますことが出来たのは、夜中だった。
「ん……」
目を覚ますと、デュースの姿が目の前にある。眠る前にあったことを思い出して、消え入りたくなった。
(薬の効果だとはいえ、俺はデュースになんてことを……)
しかし、行為中の記憶が完全に消え去ってしまったわけでもない。デュースが、ずっと俺に触れて欲しかったと言っていたことも覚えていたから、ひとまず自分を責め続けることはやめにした。
(とはいえ……するならするで、もっと優しくしてやりたかったのだが。特に、初めてくらいは……)
隣で眠るデュースの頬を撫でる。すると、デュースはとろんとした目を開けて目を覚ました。
「デュース……、平気か?」
「せんぱい……、はい、大丈夫です」
「そうか。良かった。……今回は、俺のために無理をさせて、すまなかった」
「いえ、最初に言いましたけど、悪いのは先輩の言うこと聞かなかった僕ですから……」
それでも、と俺が言うと、それじゃあ、とデュースは言った。
「次は、ちゃんと先輩がしたいようにしてくれますか? 薬のせい、じゃなくて……」
お詫びならそれがいいです、とデュースは言った。俺は、敵わないなと笑った。
「……分かった。それがお前の望みなら」
へへ、とデュースは笑う。また髪を撫で、喉が渇いていないか、と尋ねると、喉もお腹も空きました、と元気そうな返事が返ってきた。確かに、俺たちは夜食もとらずに眠ってしまったようだったからな。何か軽食でも持ってきてやろうとシャツを羽織り、部屋を出る。キッチンに赴くと、その途中で親父殿と出会った。
「おお、シルバー。もう具合は良いんか?」
「ええ。お陰様で……。ところで、親父殿」
「なんじゃ?」
「セベクとマレウス様が、差し入れだと言って部屋にデュースを放り込んできたのですが……。何か、ご存知ありませんか?」
そう尋ねると、親父殿はあやつら本気にしたんか、と気まずそうに目を逸らした。やはり、親父殿が発信源か。
「今回はなんとかなりましたが、あまり洒落にならない冗談はおやめください」
「……うむ、気を付けよう」
「ところで、ここで一体何を?」
「なんでもないわ! お前も早く寝るんじゃぞ、はは……」
……キッチンの傍、人気のない真夜中に親父殿がひとり……。嫌な予感しかしないが、まあ、良い。触らぬ神に祟りなしだ。今は触れないことにしておこう。卵でも茹でて、サンドイッチか何か作ってやればきっとアイツは喜んで食べるだろうと、適当な軽食を作って部屋へと戻った。
それから、後日。俺にかかった薬の効果は無事切れたようで、すっかり具合も良くなった。そのことをデュースに報告すると、良かったです、と満面の笑みで喜んでくれた。どうやらあの行為の後で、薬の効果が切れていないうちに激しい運動をしてしまって大丈夫だったのかと心配していたらしい。……俺としては、それは薬の効果が効果だから大丈夫だとは思うのだが。
まあ、ともかく、心配するようなことは起きていないと伝えると、安心してくれたようだった。心配と迷惑をかけてしまいすまないと言えば、デュースは、迷惑じゃなくてむしろご褒美っていうかなんていうか、などと言っていたから、そんなことばかり言っているとまた同じ目に遭っても知らないぞと忠告しておいた。
それでも満更でなさそうなデュースを見ている限り、その日は恐らく遠くないのだろうなと、まったく仕方のないと呆れるような気持ちとどこか期待するような気持ちが膨らんでいくのを、今はただ自覚するばかりだった。
*おしまい
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