・R18以上の性描写があります。高校卒業以下および18歳未満の方は閲覧をお控えください。
・♡喘ぎあり
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「最近、寒くなってきましたね」
ぴたり。そんな音が聞こえてきそうなほどに、デュースが俺へと身体を近づけてくる。
俺は、そんなデュースからさりげなく身体を離し、答える。
「ああ、そうだな」
少し不満げに眉を寄せたデュースの目線に気づかないふりをして一瞥し、暖かい飲み物でも飲むか、と尋ねた。
――俺とデュースは、好き合って付き合っている、恋人同士だ。なのに、何故、俺は彼との距離を離そうとするのか。その答えはひとつだ。
俺が、不埒なことを考えてしまうから。
デュースの触れる身体、肌に触れる吐息を感じるだけで、つい、腕の中に抱き寄せて、熱くキスをして、その瞳も心も存分にとろかして、俺だけが映るようにしてしまいたいと、そんな不埒な想いを持つようになってしまったから。
そんなことを思うようになったきっかけが、いつだったのかは分からない。何も、俺だって初めからこんな煩悩だらけの不埒な男であったわけではない。むしろ、デュースと付き合い立ての頃は、ああ、人生でたったひとりの恋人をこんなにも早く見つけられたのだと、この幸運に感謝して、めいっぱい大切にしようと、そう心に決めて、誓っていた。
苦手な勉学に励むアイツの邪魔にはけしてならないように。アイツの歩む、夢に続くすべての道を邪魔しないように。そっと傍で支えてやろう。時に睦み合うことを求めるのなら、ささやかに相手をしてやろう。それでいい。それが、求めるべき理想の関係だ。そう、思っていたのに。
思春期の男としても成長を迎えていく俺の身体は、欲は、どうやら言うことを聞いてはくれない。初めてデュースとくちづけを交わしたその日、ずっと、デュースと別れてからも唇の感触が離れなくて、熱さがどうにも落ち着かなくて、ベッドに入ったあとも、何度も何度もくちづけを交わす夢を見た。
……それだけじゃない。その夢の中で、俺は、くちづけだけでは飽き足らず、デュースの隅から隅まで……。
飛び起きて目覚め、それが夢だったと気づいたその瞬間、俺は己のことをこの世の中で最低の男だと責め立てた。
俺の不埒な頭は、ずっと、そんなことを考えている。デュースに会う度。触れる度。スキンシップは得意ではないと言っていたはずのアイツが、勇気を出して俺に触れてくるとき。頭がよりかかり、さらりとした前髪が俺の肩を撫でたとき。柔らかな唇で、くちづける吐息が俺の頬に触れるとき。抱きしめ合った身体の温度が、布越しに俺へと移っていくそのとき。デュースの熱っぽい瞳が、俺の姿を映して揺らいでいるとき……。
俺の心は、欲は、デュースを求めて、強く反応してしまう。強く、抱きしめたい。どうしようもなくなったこの心を、デュースのその全身へと、ぶつけてしまいたい。
……欲しい。デュースが。俺だけのものにしてしまいたい。
心の底、身体の奥から、頼むから誰にも見つからずどこかへ行ってしまってくれと願うような、むずがゆくて、求めてやまないその衝動が、次から次へと湧き出してくる。
毎日、素知らぬ顔でそれを抑え込むのに、必死でいる。俺が、こんな気持ちを、愚かな欲望を抱えているなどと知ったら、デュースはきっと、恐れてしまうだろうから。だから、俺は、耐えきることにした。この気分の高揚にも、ピークがある。それさえ耐えきってしまえば、後は気合でどうとでもなる。
そう、思っていた。なのに。耐えきれなくなった。
デュースは、俺と会う度、くちづけをねだる。初めの頃は照れていたが、そのうち、せっかく恋人になれたのに何もしないのでは勿体ないと言って、二人きりになれば必ず一度はくちづけをねだりあうのが俺たちの慣例になった。
それは、この日も変わらないことだった。デュースにくちづけをねだられ、俺は、己の欲を御しながら、まだ幼さの残る柔らかな頬に触れ、ささやかなくちづけを与える。それでいい。それで終わりのはずだった。
だが、違った。その日のデュースは、くちづけたあと、俺の首に回した手で俺を引き寄せ、わずかに開いた俺の口を狙って、もう一度くちづけてきた。
ぬるりとしたものが、口内へ入ってくるのを感じた。デュースが興奮しているのだと分かった瞬間、俺は、デュースの腰を引き寄せ、首筋を手で支え、侵入してきたデュースの舌を己の舌で絡め取り、好きなように乱した。
「せん、ぱい……」
はっと気が付いたのは、息を荒くしたデュースに名前を呼ばれた瞬間。己を御しきれなかったのだと気づいて、デュースから手を離した。
「す、すまない」
「……いえ」
妙な心地の沈黙が、俺たちの間に流れる。先に口を開いたのは、デュースの方だった。
「シルバー先輩、は」
「……なんだ」
「僕のこと……好き、ですか?」
「好きに決まっているだろう」
何か、デュースの様子が変だ。俺の態度が不安でも与えているのなら、取り除いてやらなければならないと思案した。
デュースは、そんな俺の胸に身体を寄せて、肩に顔を埋めた。ふわりと、デュースの持つシトラスの甘い香りが、俺の鼻腔をくすぐった。
「デュー、ス?」
「その……ひょっとして、僕に、え、えっちなこと、とか、したい、ですか……?」
「……っ」
俺は、言葉に詰まる。したくないわけはない。なんせ俺は、そのことに関する煩悩のせいで、日々、日夜問わず悩まされているんだ。だが。デュースの質問の意図が分からない。真意が分からないまま、そのような、強引な欲を正直にぶつけてしまってもいいものか。
……だが。気づかれてしまっているのだろうか? デュースには……。
そんな一縷の想いが、俺の腕にデュースを抱かせた。デュースの耳元で、そっと囁く。
「したい。ずっと、お前に触れたくて仕方がない」
デュースの耳と頬が、かあっと赤く染まる。それを眺めては、俺の吐息が荒くなる心地がした。
「……だが。お前が恐れるのなら、何もしない。俺がどんなことになっても、お前を傷つけたりはしない。それだけは、約束する」
きつく抱きしめる俺の腕の中で、デュースはただ大人しくしている。ひょっとして力が強すぎて身動きが取れなくなってしまっているのではないかということに思い至って、腕を緩めてやろうとしたとき、デュースが言った。
「まだ……もっと、ぎゅってしててください……」
「……分かった」
また、ぎゅうとデュースを抱きしめる。デュースから抱き返される腕の温度が、ただ、暖かい。心が切なくてもどかしくて、たまらなくなる。
「あの、先輩……シルバー先輩」
「ああ、なんだ?」
「僕も、したい……です」
突然の発言に、俺が衝撃を受けている間もなく、でも、とデュースは続けた。
「僕、四人部屋だし、先輩も、相部屋の人いると思うし……。その、ホテルとかも、まだ僕らじゃ入れないなって思って、」
場所ないですね、とデュースは恥ずかしそうに笑った。その後に、僕ら、こんなに一緒になりたいのに、と、熱い吐息をささやかに添えて。
「デュース」
「……はい」
「このまま、お前を帰したくない。……時間はあるか?」
「だい、じょうぶです……」
ドキドキと、鼓動の高鳴る音が聞こえる気がする。いや、実際……互いの胸板を通して、伝わっているのかもしれないな。それが俺のものかデュースのものなのかなど、もはや分からなくなってしまっている。
「……なら、来い。あまり良い場所とは言えないが、俺と……お前の望みを叶えられる場所がある」
デュースの手を引き、木々に隠れて逢引をしていた森の、さらに奥の方へと進んでいく。沈黙と風に揺れる木々のざわめきだけが二人を支配する。
やがて辿り着いたのは、小さな湖だった。
「湖……?」
「……少し驚くかもしれないが……。俺を信じて、ついてきてくれ。飛び込むぞ」
「えっ!?」
デュースの身体を抱え、湖の中へと飛び込む。ざぱりと水飛沫の上がる音がして、出てくるはずの光景を待った。
……湖の中に飛び込み、辿り着いたのは。水中に沈む、遺跡のような何か。とは言っても、古びた石造り、なんてものではない。簡素な寝具といくつかの古びた道具類だけが置いてある、いつか誰かが作った、小さな秘密基地のような部屋だ。
「あれ、息ができる……?」
「ああ。ここはまさしく、水の中なのだが……。この空間全体に強い魔法がかかっているようで、息もできるし、長時間の行動も可能だ。帰還用の転移魔法陣まで用意されている。だが、最近使われた形跡はない。……恐らくだが、もう既に卒業した生徒の誰かがここを秘密基地として使っていたのだろう」
俺は、以前森の中でうさぎが湖に誤って飛び込んでしまったときにここを知った、とデュースに告げると、そうだったのか、とデュースは感慨深そうに秘密基地に置かれたチェストを撫でた。
「部屋の持ち主は、もういない。だから、遠慮することはない」
デュースの頬に触れる。
「あ……」
「……確かに、あまり良い場所とは言えないが、お前の望みを叶えるには十分な場所だと思った。……どう、だろうか」
この場所へ来た目的を思い出して、俺もデュースも、再びその頬に赤みを乗せる。
デュースは、秘密基地に向けて踵を返すと、粗末なベッドに腰かけ俺を呼んだ。
「先輩。……来て、ください」
「……ああ」
それは、肯定の返事。デュースに触れてもかまわないという意を含んだ、行動と言葉。
水音と泡沫の弾ける音だけが響く中、一歩、また一歩とデュースに向かって進むごとに、ドク、ドクと胸が高鳴っていくような心地がした。
「……デュース」
「……ん」
目の前に立つと、デュースは目蓋を下ろし、俺のくちづけを待つ。俺は、ベッドに座すデュースの膝を膝で割り、デュースの唇にそっとくちづけようとした。そのとき、俺の脳裏に、とんでもない量の考えがよぎった。
『今日はデュースを好きにしていい』
『あの夢に描いたデュースを目の前にしてもかまわない』
『このくちづけをしてしまえば、すべてが始まる』
『愛したい、奪いたい、デュースのすべて』
『可愛い。好きだ。もう、どうしようもない』
『切なくてもどかしくてたまらない』
『早く俺にお前のすべてをくれ』
『愛している。大好きだ。好きだ。まだまだ愛し足りない』
『早くもらおう。頂いてしまおう。くちづけろ、今すぐに』
……俺は、こんなにも欲ばかりの男だったのかと、わずかにどこかで自分に失望を覚えながらも、それでも、もう、もはやここまで来て、止まることはできなかった。デュースの唇に、触れる。それが、俺の中にあった何かを壊した。
例えるなら、大雨の降ったあと、必死で水をせき止めていた堤防が、ついに決壊して中になみなみと溜まった水が溢れだすような……いや、そんな例えは、もはやどうだっていいな。
俺の唇は、デュースに一度くちづけたあと、何度も、何度もデュースのそれを性急に奪った。
「ん、んっ……、」
ちゅ、ちゅと、唇のついて離れる音だけが静かな部屋にこだまする。可愛い。潤んでいく瞳が、可愛らしい。
もっとこの柔らかな唇を啄んでいたかったが、俺の手はデュースを求めてあちこちに動く。デュースの首筋をすり、となぞると、あ、と気持ちよさそうに声を漏らしたから、その隙を狙って開いた唇の隙間から舌をねじ込んだ。
「ん、んむ……っ、ん、はっ、んぅ……」
俺の舌で弄ばれることをただ受け入れているデュースの声が、口内から漏れだす。ああ、背筋にゾクゾクとしたものが募って、たまらない。くちづけた後に引く糸を拭うこともしないまま、デュースの首筋にくちづけた。ぢゅう、と音を立て、その白い肌に吸い付き跡を残す。
「せ、せんぱい」
「どうした……?」
は、と息をこぼした。既に、俺はこんなにも興奮しているのかと少し驚いた。困った。これでは、デュースが事を恐れてしまったときに、本当に止まってやれるか分からない。だが、デュースには俺を止める気はないようだ。
「ドキドキする、これ、すごく……。僕の、心臓、バクハツするんじゃないかって……」
その言葉が可愛らしくて、俺はデュースの髪を撫でた。
「ふっ。そうか。……俺もだ。俺も、とても……ドキドキしている」
「ほんと、ですか?」
「ああ。お前が、可愛いから」
耳元で囁いてやると、デュースはぎゅっと目をつぶってしまった。まったく……。俺に、どうされてもかまわないらしいな。
「そんな態度を取っていると……こうしてしまうぞ」
デュースのネクタイをしゅるりとほどき、制服のベストのボタンをぷちぷちと外し、白いシャツがあらわになる。
その裾から不埒な手を入れ、デュースの肌を指先になぞらせはじめた。
「あ……」
「気持ちいいか、デュース?」
「……くすぐったい、です」
最初は脇腹をくすぐるように撫でていく。身をよじって逃げ出そうとするデュースを捕まえて、ベッドから落ちるなよ、と言葉を投げかけた。
転がってしまったデュースの身体を後ろから捕まえ、指先をさらにシャツの奥へと進める。
「あっ、そこ……」
「ここか?」
「ん、やだ、恥ずかし……っ!」
「何も、恥ずかしいことはない。大丈夫だ。……さあ、俺にすべて寄越してもらおう。お前のすべてを」
デュースの胸にある突起をいじりながら、耳元にそんなことをささやけば、短い髪に隠れきれない耳が赤く染まってデュースの身体がびくりと動くのが分かった。
……もっと欲しい。そんな欲が頭をもたげてきて、俺の手は、デュースの乳首をいじりながらも、片方はデュースの下腹部へと伸びていった。
「あ、せんぱい、そこは……っ」
「……いい、だろう?」
答えを待たず、俺の手はデュースの腰についたベルトを外し、その中にあるものへと触れ始めた。顔を出したデュースのものは、もう硬くなり上を向き始めている。
「なんだ、期待していたんじゃないか」
「あ、やっ……!」
デュースのものを、やわやわと揉みこむ。デュース自身のこんな場所に触れることを許されていると理解するだけで、気が狂いそうになる。
「可愛い、デュース」
「や、やぁ、せんぱ……っ、シルバーせんぱい、だめ……っ!」
「『ダメ』か。『イヤ』じゃないのなら、続けるぞ」
「あ、ぁあ……っ!」
いやいやと首を振るデュースのうなじにくちづけながら、いじる手はやめさせない。というか、やめられない。腕の中で快感から逃げようともがくデュースを捕まえ続け、まるで巣に捕らわれた蝶を羽交い締めにして食す蜘蛛にでもなった気分だ。
はあ、はあと荒い息をこぼすようになったデュースに、口では大丈夫かと問いかけながらも、俺の手はなかなか休まらない。
「だ、だいじょぶ、じゃない、せんぱい、せんぱい……っ」
「大丈夫だ、可愛い」
「あ、ん、ゃ、ぁあ……っ!」
嬉しそうだな、とデュースの耳元に息を吹きかける。びくびくと震える肩が、可愛くてしょうがない。脱げかけた制服を剥いて、あらわになった白い肩にもぢゅうと音を立ててくちづけた。
「せ、せんぱい、も、ぼく、でちゃ……」
どうやら、いじりすぎたらしい。もう限界に達してしまいそうなデュースのものからそっと手を引き抜き、改めて押し倒し直す。
乱れた服と髪が広がり、上気して蕩けた表情のデュースが麻布のシーツの上に転がって、俺を煽る。
「腰を上げろ」
デュースのズボンと下着を脱がせ、その辺りに放る。
俺の指が後ろの穴に触れると、デュースはびくりと身体を縮こませた。
「怖いか?」
「だ、大丈夫、です……」
「確かに、今日はろくな準備もできていない。お前が恐ろしいのなら……」
そう言うと、デュースは制服のポケットから何かを取り出した。
「これ、その、良かったら、使ってください……」
「これは……」
デュースが取り出したのは、ローションとゴム。いわゆる潤滑液と避妊具の、試供品セットだ。
「どこでこんなものを?」
「ま、街でちょっと……貰って……」
「……そうか」
パッケージを見る限り、怪しいところはなさそうだ。今、準備の足りていない俺たちには、ありがたいものかもしれない。
「なら、ありがたく使わせてもらおう」
「……」
気恥ずかしそうに黙るデュースの後ろに、潤滑液で濡らした指をあてがった。
「指、入れるぞ」
「……っ、はい……」
つぷ、と音を鳴らして、デュースの持つ穴に俺の指は飲み込まれていった。
「あ、んっ、んぅ……っ、ぅあ……っ♡」
俺の指が動く度、デュースは、悦びに満ちた嬉しそうな声を上げる。デュースの後ろをほぐし始めてから、すぐにデュースの求める場所は見つけられた。その場所をいじりはじめた瞬間はまだデュースは戸惑っていたが、だんだんと、デュースの困惑は与えられる快感に負けていったようだ。
「ふっ。気持ちいいか?」
「んっ、ぅ……っ、は、はい……♡ きもちい、です……っ」
事のはじめには恥ずかしがって嫌だ嫌だと言っていたデュースも、もうすっかり素直になった。それが可愛らしくて、くにくにとデュースのナカで指を動かす。
「ぁっ、せんぱ……っ、ぁ、あ、そこ、また、やぁ……っ!」
「可愛い、デュース」
俺の下で頑張っているデュースの額に汗で張り付いた前髪を退け、キスをしてやる。はあ、はあと熱い吐息を整えようとこぼすのを見て、ますます乱したくなった。
「デュース。……お前の中に、入りたい……いいか?」
耳元でささやくと、デュースはびくりと肩を震わせた。
「……は、はい……きて、ください……」
「ありがとう……それと、もうひとつ」
デュースの髪を撫でながら、俺はデュースにある願いを申し出た。
「この後、ひとときだけでいい。……シルバー、と。そう呼んで……敬語も、取り払ってしまってくれないか」
『先輩』に対する顔じゃない、素のお前が見たい。それも、欲しいんだ。そこまで告げると、デュースは、分かった、と一言だけ答えた。
「じゃあ……挿れるぞ」
デュースは真っ赤な顔をこくりと頷かせる。すっかり昂ってしまった自分のものをあてがうと、散々ほぐしたデュースの受け入れ口は俺のことをみるみる飲み干していった。
「あ、ぁあ、あ……っ、シル、バ……っ」
「ああ、ここにいる」
「ナカ、中はいってる……っ」
「……ああ、そうだな」
「ひゃぅ……っ!」
腰に力を入れて、ずぷ、と奥まで挿れきってしまう。距離が密着したままデュースのことを抱きしめてやると、抱き返す腕が背中に返ってきた。
……ああ。デュースを、とうとう俺のものにしてしまった。そんな満足感と達成感が、自分の身体と心を充足させた。
「せ、せんぱい」
「シルバー、じゃなかったのか?」
「しる、ば、僕、ぼく……っ」
「ふっ……、もどかしそうだな」
デュースの揺れる腰に、もう動きたいのかと尋ねれば、こくこくと早くしてくれと懇願するような頷きが返ってきた。
「なら……動くぞ。力を抜いていろ」
少しずつ、デュースの中を己のモノの先端で擦るように動かしていく。それに合わせて、デュースは声を上げた。
「ぁ、ん、ん……っ♡ や、やぁ、そこ、だめ……っ♡」
「ダメなこと、ないだろう……っ?」
「ぁ、あ、あ、せん、ぱ……っ、しる、ば、シルバー……っ♡」
切ない声を上げるデュースのナカを、ただひたすら愚直に攻め立てていく。もっとだ。もっとデュースをかき乱したいという欲だけが、今や俺の身体を突き動かしている。
「や、やぁ、やー、ぁ……♡ そんな、ナカ、ぐちゃぐちゃにしちゃ、だめ、だめぇ……っ♡」
「ふっ……そんなに、気持ちよさそうなのに、かっ!?」
「うあっ!? ぁ、あ、ああああ……っ!!」
ずん、と勢いづいてナカを滑らせ、奥を突くと、デュースは一際高い声をあげた。そのまま律動を続け、デュースのことを求めるままに頂点へと誘っていく。
「デュース……デュース、は、可愛い……お前は、俺のものだ……」
「あ、あっ、だめ、やだ、そこやだ、もうだめ、だめっ、しるば、あ、そんな、そんな突いたら、あ、んあ、ぁあ、う、ゃあ~……っ!!」
デュースの白く長く細い脚がびくびくと大きく痙攣する。俺はそこに向けて、もう限界に達しそうな己をひたすら打ち込み続けた。
「デュース、デュース……っ!!」
「ゃ、やあ、ぼく、ぼく、イッた、も、イった、イってるから、ぁ、せん、ぱ、しるば、あ、ふぁ、ああああ……っ!!」
ドク、と身体を熱く脈打つ感覚がして、熱を持ったすべてをデュースの中へと吐き出してしまう。ぶるりと身体が震えたところで、ようやく落ち着くことができた。
「大丈夫か?」
「あ……♡」
デュースの身体は、まだビクビクと震えている。いったん抜いてやろうと身体を離すと、デュースに、もう少しこのまま、と抱きつかれたので、少しだけそのままにしてやることにした。
それから。しばらく黙って抱きしめ合っていた俺たちは、身体も落ち着いてきた頃、そろそろ抜くか、と互いの身体を離れ、身体とベッドの後始末をした。俺たち、と言っても、負担をかけたばかりのデュースの身体に無理はさせたくなかったので、ほとんどの片付けは俺がこなしたが。
自分も片付けくらいはすると言って立ち上がろうとしたデュースが、ベッドに座したままなのを見て、不思議に思った。
「腰が痛いのか?」
「い、いえ、えっと。……痛くはないん、ですけど……」
その、まだ腰が抜けてて、とデュースは言う。俺は、そんなデュースに、また身体が熱を持ちそうなのを抑え込みながら、ならそのまま休んでいろ、と言った。
一通り片付けが終わり、デュースの隣に座す。すると、デュースの頭がこてんと俺の肩に寄りかかった。引き寄せ、撫でてやる。本当はずっと、俺が欲を抑えていた間も、こうしてやりたかったから。
「……す、すごく、気持ち良かった、です」
「そうか……痛い、怖いなど、不快な思いはしなかったか?」
「ぜ、全然。すごい恥ずかしかったけど、その……嬉しくて」
だから、先輩さえ良ければ、また……と、言葉を濁しながら、デュースは俺の手を握る。俺はその手を取って、手の甲にくちづけた。
「ああ。お前さえ良ければ、また。約束しよう。……冷たい態度を取ってしまって、悪かったな。ずっと、お前のことを、こんな風に食らい尽くしたくて、堪らなかったから……我慢するので、精一杯だったんだ」
「な、なんとなく、そうなのかもって……思ってました。ただ冷たいのとは、違う気がして……」
「ふっ。そうか、バレてしまっていたのか。ならば、もう隠す必要もないな」
そうして、デュースの耳にくちづける。
「また、機会があればよろしく頼む。……そう遠い未来でないことを願っている」
先輩のえっち、とデュースは口を尖らせた。だが、それさえ悪いように思っていないことだけは、俺の身体へと抱き着いてきたデュースの温度から、しっかりと伝わっていた。
……俺の欲を抑えていた壁は、堅固な要塞のように塗り固めたつもりだったが。デュースのくちづけひとつの前に、脆くも儚い砂の城のように、一瞬で決壊し、崩れ落ちてしまった。それでも。その先にあった、手にした夢は悪いものではなかったと。すべてを手にした今では、そう思うばかりだ。
*おしまい
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