釘付けキューティ

・攻めの女装描写があります。
・モブ女性を意識する受けの描写があります。
・逆みたいになる瞬間がちょいちょいありますが、シルデュです。
・付き合っている設定。
・攻めのフェラ描写があります。

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「デュース」
「シ、シルバー、せん、ぱい……?」
 自室のベッドの上に、デュースを押し倒す。膝にかかるひらりとした黒いスカートが、デュースの腰元に覆いかぶさった。
「ど、どうして、そんな恰好してるんですか……っ!?」
 デュースの疑問は最もなことだ。なぜなら今、俺は女性の服を身に着けている。黒いロングのワンピースに、白いエプロンがあしらわれた、いわゆる女性の給仕であるメイドの服装だ。なぜ、俺がこんな格好をしてデュースに迫る羽目になっているのか。それは、あの日まで遡る。
 それは、恋人であり、恋愛感情を前提とした交際を目的に俺と付き合っているはずのデュースと共に、二人で麓の街へと出かけたときのことだった。たまたまやっていたドリンクの出店の女性が、上品で落ち着いた、淑やかで色気のある女性であった。俺と歩いていたデュースはその女性から客引きとして声をかけられ、商品を購入することになった。そこまではいい。だが、デュースの奴は、その女性に『そこの可愛いボク、一杯いかが?』と声をかけられたとき、頬を染めて、ドギマギと動揺した様子を見せていたんだ。
 元々、女性と話すのは上がってしまい苦手だと聞いていた。だが、いざその様子を目の当たりにすると、恋人としては面白くないものだ。それでデュースがドリンクを買い終えたあと、しかめっ面でいたら、先輩どうしたんですか、なんて声をかけられた。どうしたもこうしたもないとは思ったが、心の狭い男だとは思われたくなく、その場では態度に出さないように努めた。しかし、それからも俺の心には引っかかるものがあった。
 ……ひょっとするとデュースは、あのような女性の方が……というか、やっぱり俺のように無骨で筋肉質な男よりも、淑やかな女性の方が好みなんじゃないだろうか、と。それはある程度、仕方のないことだと思う。元々デュースは女性の方を強く意識するタイプだったろうところを、俺が半ば無理やりうなずかせてしまったようなものだ。……それからは、時間や関わり、時には身体さえも重ねて、向こうからも俺のことを多少なりとも意識するようになってくれたのではないかと自惚れてはいるが……。それでもやはり、女性の方に惹かれてしまうのだろうか。だが、だからと言って、拗ねてばかりもいられない。デュースがもし、俺よりもやはり女性の方がいいと思っているのならば、ひとりいじけてばかりいるより前に、もっと俺の方に振り向いてくれるような努力をすべきだ。
 そう思って考えたのが、女性の服装を身に着け、俺が少しでもアイツの好みに近いと思ってもらえるかを試すことだった。親父殿とヴィル先輩に相談したところ、二人ともなぜか妙に乗り気で了承し、衣装やウィッグの用意まで仔細に協力してくれた。仕上がりをチェックしてくれたルーク先輩とエペルにも、かなり魅力的で百点満点の出来栄えだ、これならデュースもイチコロだとそれぞれに太鼓判を押されている。
 そうした努力の甲斐もあってか、どうやらこの試みは成功しているようで、今、俺の目の前にいるデュースは、あの日、あの女性の店員を見たときよりも顔を赤くして、緊張している様子だ。
「デュース」
 赤みがさしたデュースの頬に手を伸ばす。すると、デュースはびくりと身体を震わせた。
「せ、せんぱい……っ、質問に、答えて……んっ」
 耳まで真っ赤になったままの、デュースの唇をふさぐ。
「は……、デュース。今の俺のことを見て、どう思う?」
「え、あの……っ、めちゃくちゃ美人だと思います!!」
「そうか」
 デュースの両頬に手を添え、じっと目を見つめる。
「……以前、街でお前に声をかけていた、あの女性よりもか?」
「えっ? あの女性、って……」
「二人で出かけているときに、お前に声をかけて、飲み物を売ってきた女性がいただろう。お前が、この頬を染めて応じていた、あの女性だ」
「あ、あの人……」
 またデュースの目をじっと睨むように見つめる。すると、デュースは少し恥ずかしそうに言った。
「もしかして、その……気にして、たんですか?」
「ああ。気にしていた」
「やっぱり……。あの後、なんかちょっと様子ヘンだなって思ってたんです」
 その言葉に、少しだけ気を良くする。あのあとすぐに、俺のことを気にしてくれていたのか。 
「お前が、あの女性に顔を赤くしたりするから、ずっと気にしていた」
 ずい、とデュースの前に顔を近付ける。すると、頭につけていたウィッグの髪がぱらりと一房デュースの頬に落ちて、デュースはますます顔を赤くした。
「だ、だからって、なんでそんな、その、女装……みたいな……?」
「みたいな、じゃない。女装だ」
「で、ですよね!? なんでまた……?」
「……お前が、他の女を見ているから。やはり、女の方がいいのかと思った。だから、少しでもそれに近付いて、お前の目を奪い返せればいいと思った」
 そこまで告げると、デュースは頬の赤みを少しだけ引かせ、デュースの方から身体を起こして、俺の身体を抱きしめてきた。
「僕、先輩のこと、不安にさせちゃってたんですね……。すいません。確かに、慣れない女の人相手で、あの日、緊張とかはしてました。でも、それは、ただ不慣れだからそうなってしまうってだけで、僕が今好きなのも、……こういうことしたいって思うのも、シルバー先輩だから」
 そう言って、デュースは自ら俺にキスをしてくれる。不思議なものだ。俺の恰好に引っ張られているのか、今日のデュースはいつもより積極的というか、大胆な気がする。
「デュース」
 俺もデュースに、キスをし返す。ちゅ、ちゅ、と何度もくちづけを繰り返し、深く舌を入れてくちづけ再びベッドにデュースを押し倒すと、デュースが不思議そうな顔をした。
「え、あの、先輩……?」
「なんだ?」
「え、えっと、する……んですか? このまま……?」
「気が乗らないか?」
「や、そういう、わけじゃないんですけど……。お、女の子の恰好してるなら、僕の方からいったがいいんじゃないか、って……」
「なるほど。お前は俺に触れたいのか」
「そっ……ういうことに、なる、んです、かね……?」
「分かった」
 俺はデュースの上から身体をどかしてやり、目を閉じて待つ。
「お前がそうしたいのなら、好きにしろ。……ん」
「えっ、あっ、じゃ、じゃあ、失礼、します……っ!」
 それから、デュースの唇は俺のものに重なって――こなかった。何秒どころではない。何分待っても重なってこない唇に、こちらの方が焦れてしまう。
「遅い」
「う、うう、すいません……! 緊張して……」
 ただでさえ先輩とキスするときは緊張するのに、今日の先輩、めちゃくちゃ美人だから余計に、とデュースはしどろもどろになって言う。
「そんなにこの恰好がいいのか?」
「そんなに、っていうか、その……」
「なんだ。言いたいことがあるならハッキリ言え」
「……その、なんつーか……めちゃくちゃタイプなんです……」
 デュースは手で覆って顔を隠す。めちゃくちゃタイプ、とはどういうことだろうか。
「それは、異性の恰好をした今の俺が、お前の女性の好みに当てはまっているということか?」
「そっ、いや、ハイ、そうですね……」
 今日のデュースはドギマギとして、動揺して、新しい顔を見せてばかりだ。……これは非常に、面白くない。俺は頭に被せていたウィッグをヘッドドレスごと掴み、放り捨てた。
「シルバー先輩!?」
「女性に生まれてくれば良かった、と思ったことはないが……。そう、女のようになった俺ばかりを意識されては、面白くない。もっと、普段通りの俺を見てほしい」
 デュースを半ば押し倒すようにして、また顔をぐっと近付ける。デュースの目を少しでも奪いたいと、自分から女性の恰好をしておいて、俺は今さら何を言っているのか。しかし、デュースはなぜかそんな俺を見て、ますます顔を赤くして、口をはくはくと動かした。
「……っ!」
「どうしたんだ?」
「や、あの、えっと……っ」
 なぜ、服装を少し解除して、もっと顔が赤くなるのか。まるきり女のようになった恰好の俺が、いちばん好みだったんじゃないのか?
「女の恰好の俺の方が、いいんじゃなかったのか」
 デュースの手を取り、己の頬に当てさせる。デュースの指先が、ぴくりと戸惑うように動いた。
「ぼ、僕も、ワケわかんないんですけどっ、なんていうか、いつもの、男らしくて恰好いいシルバー先輩と、今日の、か、可愛くて、き……っ、綺麗な、女の人の感じのシルバー先輩の、両方が混ざったみたいで、なんかめちゃくちゃヤバいっていうか……っ」
 男の俺と、女の俺が混ざったような感じ? どういうことだ、それは。
「よく分からないが。今の状態の俺が、お前の目を奪っているということで間違いはないか?」
「いや、あのっ、それはそうなんですけどっ、別に女の人の恰好してなくたって、僕の目はずっと先輩に奪われっぱなしですから……っ」
 それは分かっててくださいっ、とデュースはまたしどろもどろになりながらも伝えてくる。そんな姿がいじらしくて、可愛くて、こんなにもデュースは俺のことを好いてくれているのに、何を俺は妬心を覚えていたのだろうとだんだん馬鹿馬鹿しく、そして申し訳なくなってきた。
「……すまない」
「え?」
「お前を、困らせてしまったな。俺の妬心に、気を遣わせてしまって……」
「先輩……?」
 俯いていると、デュースの手が両頬に添えられ、俺の額にそっと自分の額を合わせてきた。
「……落ち込まないでください。僕は、先輩に焼きもち妬いてもらえて、嬉しいし……。どんな姿をしていたって、先輩は、恰好良くて頼りになる、僕にとっての、憧れの先輩なんです。それだけはずっと、変わらないと思います」
「デュース……」
「それに、僕はその、こういう姿の先輩も悪くないって思いますし……。新しい先輩の一面見せてくれて、ありがとうございます、って感じですから、気にしないでください。むしろ、不安にさせちゃって、申し訳なかったな、ってくらい」
「……ありがとう。お前はいつも、俺のことを優しいと言ってくれるが……俺は、お前の方が、優しいと思う」
「それは……、シルバー先輩相手だから、ですよ。僕は、誰にでも優しいような奴じゃないので……」
「……デュース」
 デュースの唇に、ゆっくりと唇を重ね合わせる。また、何度もキスをしていると、するりとデュースの手がスカートの中に滑り込み、俺の太ももをわずかになぞった。
「やはり、触れたいのか?」
「いや、その……。僕も一応、男なので、つい、手が伸びちゃったっていうか……」
「……触っても、柔らかいわけではない。硬くてあまり楽しくないと思うが、お前が触りたいのなら好きにすればいい」
「えっ?」
 デュースをベッドへと沈みこませ、手早くベルトを外してズボンを脱がし、制服の上着とネクタイを取っ払ってシャツのボタンを開けてしまう。あっという間に半裸にされてしまったデュースは、恥ずかしそうに足を閉じた。
「せ、先輩?」
「触りたいんだろう? 好きなだけ触っていいぞ。俺も、お前に触れられた分だけ……いや、それ以上に、お前に触れたい」
 デュースが触れてきたのと同じように太ももを軽く下から上にと撫であげれば、デュースはぴくりと身体を反応させた。
「シ、シルバー先輩……っ」
「……デュース」
 デュースの耳を、ぺろりと舐める。ちゅ、ちゅとリップ音を繰り返し、はあ、と時折熱い吐息を吐きかけながらくちゅくちゅと舌を伸ばして耳をいじめれば、デュースは顔を赤くしてびくびくと肩を震わせた。
「あ、あ、も、耳は……っ」
 本当に、デュースは耳が弱い。お陰でつい、何度も攻めてやりたくなってしまう。デュースは目を潤ませ始めながらも、押し倒された下からスカートに隠された俺の太ももへと手を伸ばし、布を押し上げて足の付け根にまで触れてくる。今日はなんだか、いつもより積極的というか……大胆だな。
「なんだ、触り返してほしいのか?」
「……はい……触って、ほしいです」
 そんなことはないだろうと思いながらも聞いてみただけなのだが、意外なことに素直な返事が返ってきた。
「なんか、も……。僕、さっき、僕からいった方がいいって言いましたけど……やっぱりこのまま、抱いてほしい、です、先輩。いつもみたいに……」
「このまま……この恰好のまま、ということか?」
「へ、変……ですかね、やっぱり。でも、その、僕、どんな恰好でもシルバー先輩のこと、同じように好きなんだって、ちゃんと伝えたくて……」
「……そう、思ってくれたのか」
 デュースの唇にくちづける。ああ、大丈夫だ。このように望んでくれるなら、どんなことだってかまわない。俺は、デュースに従おう。
「なら……このまま、続けるぞ」
「は、はい……、お願い、します」
 ちゅ、ちゅとデュースの鎖骨や胸元にくちづける。跡を残してしまえば、デュースの部活に支障が出てしまうから、残さないように己の欲を抑えながら。
 それからまたデュースの太ももを撫で、つう、と根元まで指先でなぞってしまうと、デュースのものがもう下着を押し上げ始めていることに気付いた。
「もう、こんなになっているのか?」
「えっ、あ、それは……っ」
 デュースのものを、下着の上からゆるゆると撫でる。それだけでもデュースはかなり気持ちよさそうだ。
「あ、あ、せんぱ……っ」
「可愛い、デュース」
「きょ、今日可愛いのは先輩の方……っ、あ!」
 下着をずり下げ、デュースのものを口に含む。先端を指先と舌でいじったり、根元から上の方までつう、と舌でなぞると、デュースは口元を片手で覆った。
「ん、んぅ、んん……っ!」
「デュース、気持ちいいか?」
「あっ、だめ、そこで喋ったら、ああ……っ!」
 デュースのものからあふれた先走りの汁を飲み込み、そのままデュースへと深くくちづける。
「デュース」
「んう……っ!」
 舌先で口内をいじれば、デュースの唇からは気持ちよさそうな吐息と涎が漏れだした。
「は……っ、せんぱ、い……、はや、く、後ろも……」
「ふっ、焦れてるみたいだな。……いいだろう、触ってやる」
 ベッドサイドのチェストから潤滑液を取り出し、指先とデュースの受け入れ口に垂らしていく。くるくると受け入れ口の外側をマッサージするようになぞっていくと、俺を受け入れようと広がっていく感覚が通常よりも早い気がした。
「なんだか、いつもより柔らかいな。準備でもしていたのか?」
「い、いえ……。今日はいきなりだったし、準備とかは、特にしてないはず……」
「なら……興奮、しているのか?」
 デュースの中に指を差し入れ、探りながら問いかける。
「そっ、んん……っ、かも、しれない、です……っ。だって、は……っ、今日の先輩、すごく、綺麗で、可愛くて、なのに、恰好良くって……っ」
「やはりこの恰好が気に入っているんじゃないか」
「ちが、くて……。せんぱい、だって、んん……っ、自分のために、頑張って、お洒落……? みたいなこと、してくれたって思ったら、嬉しくなるんじゃないですか……っ」
 ……なるほど。そう言われてみれば、確かに、この俺の状況は、デュースのために着飾った、と言えなくもないのかもしれない。デュースは、俺も気づいていなかった俺の気持ちを汲んでくれていたのか。……嬉しい。デュースには、こういうところがある。一度、自分の内側に入れた存在への感情が敏感だというか……。こういうところが、自慢の恋人だ。
「そうだな。お前がそう気づいてくれたことが、嬉しい」
「あっ……!」
 デュースの中に挿れる指を一本増やす。いつもよりとろけるのが早いデュースの受け入れ口は、難なく二本目の俺の指を受け入れた。
「ふっ、可愛い。もっと気持ち良くなってくれ、デュース」
「あ、ああ、せんぱい、せんぱい、僕、あ、そこ、いい……っ!」
『いい』、か。今日は、ダメとは言わないんだな。……嬉しい。俺のことを、身体で、精神で、その全身で、受け入れようとしてくれていることが。俺を不安にさせてしまったと気にしていたから、それを払拭するためなのかもしれないが、そのささやかな気遣いさえも、好ましく喜ばしい。そういうところが、好きなんだ。
「デュース、好きだ」
 いったん動きを止め、デュースの額にキスをする。すると、ほ、と安堵の息を吐いて、デュースの受け入れ口がまた少し緩んだ。
「三つめ、挿れるぞ」
「はい……」
 デュースに了承を取り、受け入れ口を広げて三本目の指を差し入れる。指先を動かしてやる度、びくびくと震えるデュースの太ももに、己の欲が昂っていくのを感じた。……早く、ひとつになりたいな。いや、己の欲が逸ってしまうのは良くない。大切な存在との、大事な睦み合いだからこそ、デュースの身体のことを優先的に考えてやらなくては。そんなことを考えながらデュースの中をくすぐっていると、デュースが、ふと、俺に手を伸ばし、髪を撫でて笑いかけた。
「ふ、ふふ……っ。早く、ひとつになりたい、ですね……」
「……驚いた。俺も今、同じことを考えていた」
「はあ、ん……っ、なんとなく、そうじゃないかなって、思ってました……」
「デュース」
 無性にくちづけたくなって、唇へと顔を寄せる。とろんとした目で俺を見つめるデュースが、くちづけを受け入れるのと共にまぶたを下ろした。
「せんぱい……、挿れ、ましょう?」
「……ああ」
 身体を軽く起こし、スカートをたくし上げて、己の下着から自分のものを出す。ぱっと見の見た目が整っていれば下着まで女物を身に着ける必要はないと思い、男物のままだ。俺は、女の恰好になってでもデュースの目を奪いたいとは思ったが、実際に精神や中身まで女になって、デュースを誘惑したかったわけじゃないからな。
 デュースの受け入れ口に己のものをあてがい、ぐっと腰を押し進める。
「ん……っ!」
「キツくないか?」
「はい、だいじょうぶ、です……。せんぱい、もっと……」
 ねだられるままに、デュースの中へと自身を押し込めていく。長いスカートの布が邪魔だと感じ、できるだけ布の部分を後ろに追いやった。
「ん、んん……っ!」
「は……、ぜんぶ、入ったぞ」
「あ、もう、ぜんぶ……」
「ああ。ようやく、またお前とひとつになれた」
 身体を倒してデュースにキスをすると、デュースはん、と声をあげながらぴくりと目を閉じた。
「なんか、胸、入れてます……?」
「ああ、何か、シリコン……? だったか。よく分からないが、女性の胸を模した水風船のようなものを入れてある。重かったか?」
「い、いえ、確かに重みはあるんですけど、重いっていうか……」
 実際なんか、柔いものが当たってて、女の人になったのに、男の人のままのシルバー先輩に、こうされてるみたいっていうか、とデュースは言う。
「感触が好きでないのなら、取り出すが」
「い、いえ! なんていうか……いや、そのっ……」
「……もしかして、このままがいい、のか?」
「う、うう……。あの、でもっ、女の人みたいに柔らかいのがいいってわけじゃなくって、その……っ、なんて言ったらいいのか、なんか、不思議な感覚がして、気持ちいいっていうか……っ」
「……どういうことだ?」
「す、すいません……。先輩は分かんなくていいやつです、たぶん……」
 デュースはなぜか照れて、赤くした顔を逸らす。……まあ、いい。デュースの言っている意味はよく分からないが、結論は分かった。
「よく分からないが……お前が気持ちいいと感じているのなら、このままでいいな」
「え、あ、せんぱ……っ!」
「動くぞ、デュース」
「も、動いて、からぁ……っ! あ、ああ……っ!」
 腰をゆるゆると動かし、デュースの奥にある感部を攻めていく。最初の頃は優しく丁寧に、じっくりとした行為ばかりしていたが、それだとデュースが物足りないと感じたこともあり、最近ではある程度、行為の中に突発的な激しさも求めている。
「身体、寄せた方がいいのか?」
「あ、や、だめ、せんぱい、僕それ、ヘン……っ!」
「……可愛い、デュース」
 半ば抱きしめるようにしながら身体を寄せて腰の動きを早め、デュースの身体を快楽へと導いていく。
「あ、ああっ、だめ、せんぱ、シルバーせんぱいっ、ぼく、もう、もう……っ!」
「は、デュース、デュース……っ」
 お互いがお互いを求め合い、激しく腰を突き動かす。デュースの目から涙があふれ、ひときわ高い声が上がった。
「あ、ああ、あああああ……っ!」
「……ふ、くっ……!」
 先に達したデュースからぎゅっと強く締めつけられ、つられてその刺激で達する。はあ、と荒い息を吐くと、デュースも同じように熱い息を荒げた。

「……デュース」
「せん、ぱい……」
 デュースの頬を撫で、キスをする。それから、デュースにねだった。
「もう、脱いでもいいか? ……途中からずっと、衣服越しじゃなくて、お前と素肌で抱きしめ合いたいと感じていた」
「ふ、ふふ……っ。はい、大丈夫です……。僕のワガママ聞いてくれて、ありがとうございました……」
「……なぜお前が礼を言うんだ。元はと言えば、俺のためだろう。俺の方こそ、ありがとう」
 さっさとメイド服を脱いでしまい、ようやくデュースと素肌のままで抱きしめ合う。やはりこういうときはお互いを隔てるものがない方が、俺の性根には合っていると感じた。それでもなぜかデュースがぽうと蕩けて俺を見つめているので、何かと思い問いかける。
「まだ、身体に余韻が残っているか?」
「それも、ありますけど……。先輩、メイクはそのままなの、忘れてますね……?」
 そういえば、顔には化粧も施してもらったんだったか。すっかり忘れていた。
「ああ、そういえばそうだったな。今落とす」
「もう落としちゃうんですか?」
「なぜ、残念そうなんだ?」
「……先輩が、恰好良いまま、可愛くて美人だから……、もう少し見てたいな、って」
 それに、僕だけのためにしてくれたんだし、とデュースは付け足して、自ら俺にくちづける。……女性のような化粧をしているだけでも、デュースの方から積極的にくちづけてくれるのなら、たまには悪くないかもしれないな。
「……まったく。可愛いのも、綺麗なのも、お前の方だろう」
 そんな下心とも呼べることを考えたのは気付かせないように、デュースの唇にキスを返した。

*おしまい

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