※ドルパロ(ギャラリーもしくは小説本棚に設定が置いてあるアイドルパロディの世界線のシルデュです。そちらを読まないと意味が分からないことがあるかもしれません)の世界観を借りた趣味に走ったR小説です。
※時系列:ドーム後、付き合った後、交際宣言前
※パロディにつき一部呼び名変更あり:リドル寮長→事務所長、トレイ先輩→トレイさん、など)
※特殊シチュ(オナバレ、目隠しなど)が含まれます。
↓以上すべて大丈夫な方はスクロール
今日も仕事を終え、愛する恋人の待つ芸能人寮のマンションの一部屋へと帰る。そこで玄関のカギを開け、ドアノブを引いた俺の耳に飛び込んできたのは、デュースの喘ぎ声だった。
「ん……っ、あっ、だめ……っ! そんなとこ、触っちゃ……!」
恋人である俺がいないのに、デュースが部屋で嬌声をあげている……? まさか、他の男と? 俺はただいまの挨拶もせず声を殺し、そっと玄関のドアを音をたてないように閉めた。
――言いようのない怒りと、悲しみが湧いてくる。二人の夢だったドーム公演を終え、それぞれソロでの仕事も増えてきた最近、確かに、デュースと接する機会が減っていた。とはいえ、それなら不貞を働く前に、素直に俺に淋しいと相談してくれればいいはずだ。絆だって前よりも深まってきていたと思うのに、なぜ、どうして。
だが、まだそうだと決めつけるには早すぎる。俺の勘違いかもしれないじゃないか。なら、漏れ聞こえてくるこの声はなんだ? デュースの部屋へ近づく度、声はどんどんハッキリしていく。俺の中で、信じたいという思いと、まさかという疑いが交錯する。
デュースの部屋の前に立ち、ゆっくりとドアを引いた。部屋に入ってすぐにあるクロークのお陰で、ドアが開いたことには気づかれていないようだ。クロークの陰から、その奥にあるはずのデュースのベッドを恐る恐る目に入れる。そこに、すべての真実があるからだ。やがて俺の目に飛び込んできたのは――。
「んっ、せんぱい、シルバー先輩っ、だめ……っ!」
……ひとりで、己の身体を一生懸命に慰めているデュースの姿だった。とりあえず俺は、疑ってしまったことを恥じる。……よく聞けば、合間に何度も俺の名前も呼んでいる。これは、まったく浮気や不貞の類ではない。むしろ、想像上の相手にまで俺を選んでくれているということで、そんなにも俺を好いてくれているのだということが分かって、とても嬉しい。……さすがに少し気恥ずかしいが。
それは良いんだが、もうひとつ俺には気になることがあった。……なぜ、デュースは目隠しをしているんだろうか? お陰で、クロークの影から様子を覗いていてもバレにくいのはありがたいのだが……。……実は、そういう趣味を持っていたのだろうか。特殊な趣味を持っていたからこそ、俺には言い出せず、ひとりで自分を慰めるしかなかったというのか?
いや、そんなことはいいんだ。不貞の類ではなかったのなら、ひとまずは安心だ。とりあえず俺は見なかったことにしてやった方がいいだろうと、音を立てず静かに部屋を立ち去ろうとする。そのとき。
「シルバーせんぱい、もっとここ、さわって……っ」
デュースに呼び止められた。正確には、デュースの想像上の俺が、なのだが。それでも愛しい声に自分の名前を呼ばれれば、反射的に反応してしまう。それと同時に、思ったことがあった。
(……今なら、デュースが普段どこを触ってほしいのか、知ることができるんじゃないか……?)
それはほんの少し、魔が差したともいえる好奇心だった。普段、デュースは最中に恥ずかしがって、どこがいいとかどこが好きだとか、あまり口にしてはくれない。だから、慎重に探り当てるしかないのだが、それではお互いに焦れてしまうこともある。なので、もしデュースの好きな場所を知ることができるのなら、とそんな興味が俺をその場に留まらせた。それが、良くないことなのだと頭では知りながら。
俺は、もう一度乱れていくデュースの様子を観察する。デュースは……細さと長さ的に、リボンだろうか? 何か黒い布で目隠しをしたままベッドの上に横たわり、白いYシャツのボタンはすべて前を開けて、ファスナーを下ろしたジーンズと下着から顔をのぞかせた己のものをいじり、慰めている。煽情的な光景だ。
「ん、んんっ、シルバーせんぱい……っ」
あの、恥ずかしがり屋のデュースが、ひとりの時間にとはいえ、こんなことをするなんて……。それも、俺の名を呼びながら。俺の鼓動は、何か良くないことをしているというか、良からぬものを見てしまっている背徳感や罪悪感から、ドキドキと波打っている。心なしか頬も熱いが、今は気にすることではない。
デュースは普段、どんな場所に触れてほしいと思っているのだろう。……本当は、俺に、どんな風にされたいと感じているのだろう? その本音を探るべく、俺はデュースの様子を再び眺め始めた。
「せんぱい、もっと、好きって言って……」
なるほど。やはり好きだと言われると、嬉しいのか。……なあ、デュース。お前の想像の中の俺は、どれくらい好きだとささやいている?
「ん、耳は、だめ……」
……耳は、自分ではどうにもできないはずだが。想定上の俺は、耳までいじめてやっているらしい。
「あ、だ、だめ……っ、上、コリコリしちゃ……っ」
そうだな。お前は、そんな風に強くこねくり回すよりも、もっと優しくふにふにと指で挟まれる方が好きだぞ。
「や、やあっ、下、そんな触っちゃ……っ」
……けっこう激し目にしごいているな。案外、強引なのが好きだったのか? だが、いつものデュースの様子なら……。
己のものに触れていたデュースが、不満気に眉を寄せ、シーツを掴む。
「は、やっぱ、なんか……、気持ちいい、けど、イけない……。両方一緒に触んないと、ダメなのかな……」
そう言いながら、デュースは己のものと同時に乳首へと手を伸ばし、再び自分を慰め始める。その言葉を聞いて、様子を見て、俺は確信した。デュースの奴、何も分かっていないな。
そうと決まれば、やることはひとつだ。俺はコートをすぐ隣のクロークに預け、デュースの横たわるベッドまで静かに歩み寄った。
*
「ん、んん……っ」
思い切って、乳首とモノを一緒にいじってみる。……ダメだ。やっぱり、なんか気持ち良くない。いや、気持ちいいのはいいんだ。身体もビクビクしてるし、気持ちいいはずなんだ。だけど、なんていうか、シルバー先輩と一緒にしてるときみたいな、ゾワゾワっと何かがのぼって来る感じが全然来ない。
最近、シルバー先輩も僕もソロの仕事が増えて、なかなか恋人としての時間を取る機会が少なくなっていた。だから、淋しくなった僕は、なんとなくつけた深夜ドラマのワンシーンで、主人公の女の人が自分でしてるのを見て、そのセクシーさに思わず画面を消したけど、それと同時に、これだ! と思ったんだ。
そういうことをする機会が減って淋しいのは淋しいけれど、疲れてるだろうシルバー先輩にわざわざ相手してもらうのも忍びない。そこで、閃いた。僕もあのドラマの女性みたいに、自分ですればいいじゃないか、って。
決めてからは早かった。シルバー先輩がいない時間帯を見計らって、自分を慰めてみる。すると、確かに気持ち良かった。気持ちいいけど、目を開ける度に、僕の頭の中では確かに存在しているシルバー先輩がそこにいなくて、淋しい気持ちになった。だから、目隠しをした。何かの包装に使った余りのリボンがあったから、それを使って。
で、もう一度自分の身体を触ってみたはいいけれど、なんでかシルバー先輩にされたときと違って、全然、飛ぶように気持ち良くなれないってわけだ。……どうしてだ? 触ってる場所とか、やり方は一緒なはずなのに。
もしかして気持ち良くなれない日だったりするのかな、人には誰しもそういう日あるって前調べたインターネットの記事に書いてあったしな……なんて思って、今日はもうやめてしまおうかと考えていたら、急に後ろから手を掴まれた。
……え? 今は僕以外誰もいないはずなのに、どうして。
サッと血の気が引く気持ちでいると、聞きなれた声が耳元で囁いた。
「デュース、それじゃダメだ」
「えっ、シルバーせんぱ……、あっ!」
「もっと、手から力を抜いて、そうだ、もっとゆっくり、優しく……ほら、こうすると気持ちいいだろう?」
目隠しをしているから見えないけれど、恐らくシルバー先輩の手が、僕のものをしごいていた手の上から手を重ねて、触り方と、握る強さを変えてくる。待って、なんで、シルバー先輩がここに、っていうか見られた……っ、そんないろんな感情を、気持ち良さがすべてかき消していく。
「う、あ、ああ……っ」
シルバー先輩の声から言われた通りにすると、急にゾクゾクしたものが僕の中に上り始めて、まるで魔法がかかったみたいな気持ちになった。
「こちらの手は、触れなくていい」
シルバー先輩は、乳首をいじっていた方の手を下ろさせる。すると僕の身体はなんだか余計に気持ち良くなったような気がした。え、な、なんで……? 触って気持ちいいならともかく、触らないで気持ちいいって、変じゃないか!?
「お前は、あまりいくつもの箇所に気を配れないようでな。あちこちを同時に攻めるよりも、一点を集中的に触ってやった方がいいんだ。覚えておくといい」
それから、とシルバー先輩は続ける。
「触れるときも、だ。強くこねくり回すよりも、こうやって優しく挟まれる方が好きだぞ」
「あ……っ!」
ふにふにと優しく乳首を指の腹で挟まれ、声が上がってしまう。なんだこれ、シルバー先輩の言う通りにしたりされたりしてるだけなのに、さっきまでより断然気持ちいい……っ!
「あとは……デュース」
シルバー先輩は僕の身体を支え、腕に抱き込む。そして耳元で何度も僕の名前と愛の言葉をささやいた。
「好きだ、デュース」
「あっ、耳は、だめ……っ」
「ふっ。さっきひとりでしていたときは求めていたようだったが?」
「や、見て……っ」
「ああ。見ていた。お前の可愛い姿を。……さあ、教えたようにもう一度やってみろ」
「や、恥ずかし……っ」
「仕方ないな。ほら」
シルバー先輩は僕の手に自分の手を重ね、僕の手ごと僕のものを上下にしごき、時には先っぽを指でいじっていく。目隠しをしているせいでどこから刺激が飛んでくるか予測がつかなくて、余計に感じてしまう。
「デュース、好きだ。はあ……っ、可愛い」
その上、耳元では吐息を交えながら名前を呼んだり、愛の言葉をささやいてくるから、もう手に負えない。
なんで、なんでこの人、僕のしてほしいこと、気持ちいい場所、ぜんぶ、ぜんぶ知ってるんだ……!!
「あ、だめ、だめだめ、くる……っ!」
ゾクゾクとしたものが背筋に上ってきて、僕は達しそうになる。シルバー先輩の甘い声が、ささやきと共に耳たぶを食んだ。
「デュース、愛してる」
「あ、~~~~~~~っ!!」
びゅる、と自分の中から熱いものが出ていく感覚がして、身体からぐっと力が抜ける。その拍子にずれたリボンの隙間には、涙で潤み滲んだ視界とシルバー先輩の柔らかくほほ笑む顔が映っていた。
「か、帰って、きてたんですね……」
「ああ、ただいま、デュース」
力の抜けた僕を膝に乗せ、満足そうにシルバー先輩は額にキスをする。うう、恥ずかしい……! 冷静になってみれば、ひとりでしているところを見られた事実が恥ずかしすぎて顔を上げられない。
その上自分ではうまくできなくて、シルバー先輩に手伝ってもらったなんて……! 確かにもうエッチなところも身体も全部見られてるんだけど、普通にエッチするのとはまた違った恥ずかしさがある!!
そんな僕の気も知らず、シルバー先輩はなぜかとても上機嫌だ。
「俺とできなくて、淋しかったのか?」
「……はい……」
「言ってくれれば良かった」
「それは、その……っ、つ、疲れてるかなと思って……」
「気遣ってくれていたのか。ありがとう」
言いながらもシルバー先輩は僕の額やこめかみにちゅ、ちゅと甘えるようなキスをするのをやめない。
「何がそんなに嬉しいんですか……」
「ん?」
シルバー先輩はなんのことだと言うように首を傾げ、それから合点がいったように頷いた。
「お前が、想像上の相手にも、俺を選んでくれていたことが嬉しかった」
「うう……」
やっぱり見られてたし、シルバー先輩のこと呼んでたのも、バッチリ聞かれてたっぽい。恥ずかしくなって縮こまっていると、シルバー先輩はよしよしと慰めるように頭を撫でてくる。
「恥ずかしい気持ちも分かるが、俺は嬉しかった。あまり気にするな」
「でも……」
「どうせこの後、俺の相手もしてもらうからな」
「えっ!?」
「内容は、お前の身体の具合次第でもあるが……いいだろう?」
デュース、と楽し気に耳元で囁かれれば、僕には、はい、と力なく返す以外に選択肢なんてなかった。……ほんとうのほんとうに正直を言えば、まだもうちょっと、物足りなかったしな。それさえも、シルバー先輩には見抜かれているのかもしれないけれど。
「そういえば、どうして目隠ししていたんだ? ……もしかして、趣味だったか?」
「ち、違います! あれは、その……っ!」
結局、僕はシルバー先輩がいなくて淋しかったのだということを、一から十まで説明する羽目になったのだった。
*おしまい
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