こんなものいらない

※ドルパロ(ギャラリーもしくは小説本棚に設定が置いてあるアイドルパロディの世界線のシルデュです。そちらを読まないと意味が分からないことがあるかもしれません)
※時系列:ドーム後、交際バレ後
※パロディにつき一部呼び名変更あり:リドル寮長→事務所長、トレイ先輩→トレイさん、など)
※R-18に相当する性的表現があります。高等学校卒業前(卒業証書の日付を越える前)または18歳以下の方の閲覧はお控えください。
以上大丈夫な方はスクロール↓

 

 僕の手には今、ひとつの箱がある。僕は妙に緊張した心地で、それを自分のベッドへと運んだ。
 小さな段ボール箱を開ける。すると中には、いわゆる……『大人のオモチャ』が入っている。
 ごくり、と唾を呑む。これを使えば、きっと、先輩も……。喜んでくれるようになる、はずだ。
 そんな期待を心に抱きながら、シルバー先輩が留守にする部屋の中、ひとり、取扱説明書を読み始めた。

 *
 
 今日はソロの仕事だった。デュースは確か、オフの日だったか。最近はお互い、ソロで番組などに出演することも増えてきて、顔を合わせることが少なく、わずかに淋しい心地にもなる。
 だが、今日は早く仕事が終わった。俺は表情に出す表現があまりうまくない方だが、それを逆に監督が気に入ってくれて、CMの撮影がうまく行ったのだ。
 CMはバレンタインの贈り物向けの、男性用ネクタイのCMだった。俺のあまり変わらない、かっちりとした表情が、逆にネクタイや衣装の雰囲気に合っていたのだという。
 バレンタインが近いからとスタッフの方にチョコレートも頂いたし(もちろん義理だ、本命なら受け取らない)、早く帰って甘いものが好きなデュースにも食べさせてやろう。
 そんなことを考えながら、カードを通して玄関のキーを開け、ドアをくぐる。
 すると、俺の耳はわずかな違和感を察知した。
「……あっ……、ん……」
 ……わずかに漏れ聞こえてくるのは、デュースの、嬌声。
 以前にもこんなことがあったなと俺は思い出す。
 あのときはつい浮気を疑ってしまったが、今は違う。大方、また触れ合えない日の続く俺のことを思い出して、ひとり自分を慰めてでもいるのだろう。
 さてどうしてやろうか、と気配を消しながら部屋に入り、デュースの様子を見ることにした。
 
 部屋の入口にあるクロークの影からデュースの姿を覗き見れば、ああ、やはり。ひとりで一生懸命に、己の身体を慰めている。
「しるば、せんぱい……っ」
 それも、俺の名を呼びながら。……やはり気恥ずかしいが、それでも嬉しくなっていると、ふと、デュースの手元に何かがあることに気づいた。
「これ……ほんとに、良くなる、のかな……」
 デュースはまだ俺の存在には気づいていないようで、その何かの道具を手にすると、道具のスイッチを入れ、それを局部へと当てた。……そ、そうやって使うものなのか?
「ん……っ、あ、や……っ!」
 道具が与える振動に、快感を感じているらしいデュース。……一体、どこからどうやってそんなものを手に入れたのか。分からない。分からない、が。なんとなく、気に入らない。
 人間相手に浮気をされているわけではないが……。俺に「身体が淋しい」と相談するよりも先に、道具に頼ったのだろうか。
 デュースは、んん、と嬌声をあげながら、自らの後ろへと手を伸ばす。……まさか。その道具を、挿れようとでも言うのだろうか。デュースの、中に。そう思うと居ても立ってもいられず、俺はデュースの前へと姿を現した。
「ただいま、デュース」
「ふぁっ、し、シルバーせんぱいっ!? なんでもう帰って……っ」
「撮影が早く終わったんだ。それよりも、」
 手を伸ばし、デュースが持っていた道具を奪い取る。
「これはなんだ? デュース」
「そ、それはっ、その……っ」
「……先ほどはこうして使っていたようだが?」
 道具のスイッチを入れ、デュースの局部に当てると、デュースはびくりと身体を震えさせた。
「あっ、ああ、や、シルバーせんぱい……っ」
「俺の手より、こんなものがいいのか?」
 ぐりぐりと、振動を与え続ける道具をデュースの局部に押し付ける。
「ちがっ、やあ……っ! や、やめて、せんぱ、い……っ」
「……」
 デュースは、はあ、はあと乱れた息を吐きながら、俺に縋りつく。
「何が、違うんだ」
 身体を支え、後ろから包み込む形に抱き上げると、デュースは少し落ち着いたようだ。
「それは、その……っ、せ、せんぱいに、気持ち良くなってほしくて……っ」
「俺に、使うつもりだったのか? こんなものを?」
「それもちがっ……、やあ……っ!!」
 下からは手でやわやわと揉みながら、上からは道具で刺激を与える。すると瞬く間にデュースの身体からは力が抜けていった。
「だめ、だめ、せんぱいっ、しるば、せんぱい、きちゃう……っ!」
「……俺としているときよりも、随分感じるのが早いな?」
「それは、せんぱいが、してるから、ぁ……っ! ゃ、やぁ……っ!! あ、も、も、だめ……っ、あああ……っ!!」
 デュースの身体から、くたりと力が抜ける。……どうやら、これだけで達してしまったようだな。
「デュース、大丈夫か? まだ話は終わっていないぞ」
 身体を支え、デュースの感部をさらに揉み込む。……不愉快だ。俺の手でなく、あの道具で達したということならば。
「や……せんぱい、待って、落ち着いて、くださ……っ」
「俺は落ち着いている」
「ど、どこがぁ……っ! あ、や、だめ、だめ、ぼくいったばっかぁ……っ!!」
 デュースのものを手で包み込み、ゆるゆるとしごく。当然、デュースは気持ちがいいようで、あ、ああと声を上げながら俺にしがみついてきた。それに気を良くして、ようやくデュースにキスのひとつもしてやれる。
「デュース。なんで、俺じゃなくてこんなものと遊んでいたんだ?」
「それ、は、ぁ……っ、や、さわってたら、へんじ、できな……っ」
「言ってみろ、ほら」
 デュースが答えられるように、触り方をゆるくしてやる。なぜかデュースはそれに余計に感じてしまったようだが。
「ぁ、そのっ、さいきん、せんぱい、と、できなかった、からぁ……っ」
「だから、淋しくて……か?」
「ちが、ちがう、ぼく、じょうずに、なりたくてぇ……っ」
「上手に? ……何がだ?」
「え、えっち、じょうずになったら、せんぱい、びっくりするって、おもって、きもちく、なって、ほしくってぇ……っ」
 だから、許してください、とデュースは舌足らずにねだる。……そう、だったのか。ひとり隠れて情事の特訓をして、俺を驚かせようとしていたのか。
「そうだったのか……。まったく、お前というやつは」
「あ……」
 張り詰めていた気を緩めて、デュースの耳にキスをする。デュースの意図は分かった。とはいえ、あの道具の存在は気に入らない。
「だが、これはナシだ」
「な、なんで……っ」
 高かったのに、なんて情緒のないことをデュースは言ってみせる。だが、俺もここで引くわけにはいかない。
「なんで、も何もないだろう。お前に触れ、お前の中に入るのは、俺とお前だけでいい。他のものは、道具でさえも入る余地はない」
 そうだろう? とデュースのものをぎゅっと握れば、デュースは突然の刺激に再び達してしまった。
「あっ……~~~~~~~、っ、ふっ、くぅ……っ!」
 俺のシャツを握りしめ、必死に手で皺を作る健気なデュース。それが可愛くて、そして、このデュースを形作ったのが俺の手だけでないと感じると、やはり妬心を覚えて、それをデュースにぶつけた。
「可愛い、デュース。こんなに可愛いお前を作るのは、俺の手だけでいい」
「ぁ、せんぱ……」
 デュースのこめかみにキスをする。
「好きだ、デュース。……俺がいれば、こんなものいらないだろう?」
 そう告げて、玩具をベッドの端へ放ってしまう。息が整い、うなずかれるのを待っていると、デュースから尋ねられた。
「せんぱ、なんでそんなに、怒ってる、んですか……」
「怒っている? ああ……そうかもしれないな」
 俺はデュースの頬を撫でる。
「だが、お前にではない。……俺の許可なくお前に触れた、あの道具に怒っている」
「それ、って……」
「……嫉妬だ。悪いか」
 デュースは既に赤い顔をさらに赤くして、悪くないです、と答えた。
「せんぱい、道具にまでヤキモチ妬くんですね……」
「……悪いか」
 悪くないです、と再びデュースは答える。そして、じゃあ、とデュースは笑った。
「これからは、使わないので……。でも、代わりに何かおねだりしてもいいですか?」
 結構高かったんですよ、とデュースは言う。確かに道具を使わないで欲しいというのは俺の我侭である以上、それは受け入れることにした。
「ああ、かまわない。何が欲しいんだ?」
「これから考えます、でも、今は……」
 あれの代わりに、続きしてください、とデュースがねだる。
「ああ。最初からそう言ってくれれば良かったんだ。……道具と浮気する前にな?」
「もう、せんぱい……」
 デュースを押し倒し、もうどろどろになってしまっている下着を脱がせて、後ろの穴をいじり始める。
「ふっ。柔らかくて可愛らしいな」
「あ、ああっ……、しるばー、せんぱい……っ」
「お前の穴を埋めるのは、俺だけで十分だ」
「も、せんぱい……っ」
 ぐちぐちとナカをいじってやれば、これを待っていたんだというようにデュースのナカは俺の指へと吸い付いて歓迎した。
「さ……広げるぞ」
「う、あ、は、はい……っ」
 既に息も切れ切れになっているデュースだが、今日ばかりは少し無理をしてでも、俺に付き合ってもらおう。そうでないと、俺の気が済まないからな。

 やがてデュースの受け入れ口を広げ終わり、そろそろ挿れてもいいか、という頃合いになった。
「デュース」
 汗で張り付いたデュースの前髪をさらりと撫でる。この瞬間が、好きだ。
「あ、は、い……」
「挿れるぞ」
「……ん」
 こくりと頷くデュースの身体に自分のものをあてがい、ゆっくりと挿入する。
「ん、ん、んん……」
 嬉しそうなデュースの声がこぼれてくるのを耳にしながら、首筋へとキスをした。
「デュース、可愛い。好きだ、デュース」
「あ、せんぱ……ぼく、ぼくも、すき……」
 ぐっと腰を押し進め、デュースのナカへと全部を挿れてしまう。
「うぁっ……!」
 するとデュースは気持ち良さそうに目を細め、涙を滲ませながら快感に耐えている。……まったく、危ないところだったな。この快楽と権限が、危うく道具なんかに奪われてしまうところだった。
「お前をそんな姿にするのは、俺だけでいいんだ。いいな?」
「せ、んぱ、も、わかったってばぁ……っ」
 挿れたまま、デュースの乳首やら胸板やらにくちづけていれば、デュースはもう焦れたというように首を振ってみせた。
「なんだ? もう焦れてしまったのか?」
「……ん……、して、せんぱい、して……。いっぱい、おく、ついて……」
「ふっ……。確かに、俺を煽るのが上手くなっているのかもな。だが、それは……道具などなくても、だ。分かるだろう? デュース」
 デュースの望み通り、ナカをゆるゆると突き始めていく。
「あっ、あっ……、せ、せんぱ……っ、ああ……っ!」
 奥を突く動きは、だんだんと激しさを増していく。
「あ、ああっ、や、だめだめっ、だめ、せんぱい、ゃ、あ、ぼく、ぼく……~っ!」
「俺だけでイけ、デュース」
「あ、あああ……っ、ん、んぅ、ふ、ぁ、ぁあ……っ!!」
 絶頂に達したらしいデュースの身体に、それでも容赦なくまだ叩き込む。
「あっ、だめ、もいった、いったからぁ……っ! ぁ、ん、ふ、ふく……っ、ぅ……!」
「デュース……っ、デュース、好きだ、俺だけのものでいてくれ……っ!!」
「ぁっ、あ、ああ、や、~~~~~~~~~~……っ!!」
 そこまでしてようやく、俺はデュースを開放してやることができるようになった。

 
 それから。一息置いて、デュースが落ち着いた頃、俺は怒られていた。
「もう、先輩……。ちょ、ちょっとやりすぎ、ですよ! ったく……」
「すまない。お前が見知らぬ道具を使っていたから、嫉妬してしまった」
「そ、それは分かりました、けどっ! ……そんなに嫌、ですか?」
 デュースは怒ってはいるが、どこか照れているようで、可愛らしい。
「嫌だ。お前を乱していいのは俺だけだ」
「そっ……、わ、分かりました……」
 ぎゅっと肩を抱いて抱き寄せると、デュースは照れくさそうに目を逸らした。
「お前も想像してみろ。俺がお前以外に、ああいった道具に頼っている姿を」
「え? ……うーん。あ、確かに嫌、かも……」
「だろう? 俺もそうだ。だから、淋しいときは俺を頼れ。遠慮せずに」
 デュースのこめかみにキスをする。これをデュースは嫌がらず受け入れてくれた。
「……しょうがないな、ったく」
「ああ。我侭ですまないな」
 機嫌を直してくれたらしいデュースの身体を抱いたまま、ゆらゆらと揺らす。
 するとデュースは、せんぱい、と甘えるように俺の名を呼んだ。
「なんだ?」
「へへっ。……いつもこればっかりだと、困っちまうので、言うか迷ったけど……。先輩が怒ってくれて、ちょっと、嬉しかったです」
「お前という奴は」
 呆れて鼻をつまむと、デュースはむぎゅ、と声を上げた。
「だって、道具にもヤキモチ妬いてもらえるなんて、僕、……愛されてるな、って」
「ああ、愛しているが?」
「へ、へへ……っ。だから、今日は許してあげますっ」
「そうか、ありがとう」
 怒っているわりに上機嫌だったのはそのせいか。日頃の行いが良かったのだろうことに心の中でガッツポーズをする。
「でも、こっそり上手になって驚かせたかったな……先輩のこと」
「気持ちはありがたいが、俺は俺と上手になってもらいたい。俺がある日突然上手くなっていたらどうするんだ」
「えっ、『どこで練習してきたんだ』って思います!」
「だろう? 互いを不安にさせるのも良くない。練習するなら、俺としよう。デュース」
「そっか……。それもそうですね!」
 どうやらデュースを上手いこと丸め込めたようだ。
「では、これからはそういうことで」
「は、はい。でも、先輩」
「なんだ?」
「……あんまりやりすぎちゃダメですからね!」
「ああ、分かった」
 めっ、と指を立てるデュースに、敵わないなと笑って、また2人の時間を楽しむ。
 そして視界の端に落ちている道具を、視界の外に追いやった。

(あんなものがなくても、俺たちは幸せになれるからな)

*おしまい

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