*「紫陽花の心」の続編です。
*名もなきモブが結構喋ります。
大丈夫な方はスクロール↓
俺には、大切な子がいる。恋人ではない。俺と彼との関係性をそう名付けて呼ぶことは、彼にとってまだ、未知への恐怖を呼び起こすようだから。だから、まだ、友人にも家族にも、恋人ができたというような表立った紹介はしていない。ただ、家族の方に関しては、まだ恋人と呼ぶわけにはいかないが、それくらい大切に思う存在が新たにできたということくらいはやんわりと伝えている。セベクあたりにはどういうことだと首を傾げられるかと思っていたが、案外そうかと受け入れられた。アイツは読書が好きだから、ひょっとすると今の俺たちのような、名もなき関係についても詳しかったのかもしれないな。
反対に、マレウス様と親父殿は意外そうな顔をしていた。「お前たちがそんな繊細な恋愛をするとは」と。俺が、やはりこれは恋愛なのでしょうかと尋ねると、「ひとまず今はそう呼んだが、実際それはお前が決めて良い」、と親父殿が返した。
そのように、家族は俺たちの、今のありのままを受け入れてくれた。同じように、俺も今のありのままのデュースを受け入れていきたいと、変わらず思っている。けれど、俺たちの関係を知っているクラスメイトは言った。
「でも、キスしたり、抱きしめたりはしてるんだろ? それって、普通の恋人同士と何が変わるワケ?」
俺は言葉に詰まった。普通の恋人同士という存在のこと自体をよく知らないせいなのかもしれない。けれど、俺なりに考えて出した答えをクラスメイトには告げた。
「……普通の恋人同士、というもの自体詳しくなく、よく分かってはいないが……。少なくとも、通常と違う形だろう、と思うのは、キスのような睦みごとは、俺の方からだけ与えているものである、ということ、正式に付き合っている、恋人同士であると公言する形ではない、ということ、だろうか」
それ以外は、悋気を起こすことも、触れ合いを受け入れてくれることも、キスより深い仲にならないということ以外は通常の恋人同士とそう変わらないのではないだろうか、と俺が言葉を切ると、クラスメイトは怪訝な顔をした。
「それ、いいのかよ? なんかお前、都合良く使われてねえ?」
「都合良く……?」
「なんつーか、さあ。お前ばっかり色々やって、向こうからは何にも返ってこないって、それ、相手にばっかり都合良すぎだろ? お前、騙されたりしてるんじゃねえの」
「その形でいいから、好きでいさせてほしいと願ったのは俺だ。俺がそれで良いと承諾したことを、後から都合が良いとは思わない」
「いや、そういうことじゃなくってさあ……」
お前さあ、キープされてんじゃないの? とクラスメイトは言った。……キープ、とは?
「キープっていうのはさあ、他にも気になる奴がいるけど、今イイ感じの奴を手放したくないな~みたいなときに、関係濁しておくことを言うんだよ。ちょうど、今のお前みたいにさ。シルバー、お前騙されやすそうだから言ってやるけどさ、俺には体よくキープしてるようにしか思えないぜ」
「そんなはずは、ないと思うが……」
そこまで話が進んだところで、授業始まりのチャイムが鳴る。講義の内容に集中しようと、頭を振って思考を切り替えた。
――昼休み。中庭で動物たちと戯れていると、俺を見つけたらしいデュースが傍に寄ってきた。
「デュース」
「シルバー先輩。今日は起きてたんですね」
「ああ」
柔らかな笑みを浮かべたデュースが、昼間の光を木の枝の合間から落とす木陰の下で、俺の隣へと佇む。それだけで俺の心は穏やかに嬉しい心地になるが、ふと、その心が陰りを見せた。
『お前さあ、キープされてんじゃないの?』
……そんなことはない、はずだ。俺の見る限り、デュースはそういうことをできるほど器用なやつではないと思うし、何より俺自身がデュースのことをそういうことをする奴だと思いたくはない。信じていたい。
けれど、デュースにはまだ、俺の知らない一面がある。過去に悪さをしていた、と発言はしていたが、もし、その頃の経験に、キープ……というような、人間関係を手玉に取るようなことがあったら……? もし、そういう経験があったとしたら。デュースにもそういうことが、できないことは、ないのではないだろうか?
「先輩、どうしたんですか? なんか今日元気ない、ですか?」
デュースの言葉に、ハッと意識を戻す。いけない、このままではデュースに心配をかけてしまうな。
「いや……大丈夫だ。少し、考えごとをしていただけで」
「考えごと? 何か、気にかかることでもあるんですか?」
「それは……」
俺は言葉をつぐむ。正確に言えば、続きの言葉を紡げない。デュースが俺のことを、都合良く抱えているのではないか、なんて不信を、たとえわずかな一瞬でも持ってしまったという事実、そんなことをもし伝えてしまえば、またコイツを思い悩ませて、悲しませてしまうのではないだろうか。
それは嫌だ、と思った。……仮に、デュースが本当に俺のことを都合良く扱っているのだとしよう。だとしても、俺はそれでいいんだ。俺が今のデュースを愛する、大切にすると決めて、そう扱ったのだから、結果、何も返ってこなかったとしても、俺はかまわない。元より、俺が勝手に好きでいさせてもらっているだけの関係だ。だとしたら、俺たちの間に何も問題が起こることはない。ならば、不要な悩みや苦しみを、これ以上デュースに与えることはない。
「……いや、大丈夫だ。今考えたら、解決してしまった。心配してくれて、ありがとう」
「なら、いいんですけど……」
デュースの頭に手を置き、ぽんぽんと撫でる。デュースはまだ何か言いたげにしていたが、それ以上何も言うことはなかった。
――それから、翌日。何事もなかった、と思っていたのだが、件のクラスメイトが、教室に入るなり、俺に謝罪をしてきた。
「ごめんっ、シルバー! 俺、余計なことしちゃったかもしんない!」
「……一体、何があったんだ? まずは事と次第を報告してくれ」
クラスメイトが言うには、こういうことがあったらしい。俺の知らないところで、偶然にもデュースと出会う機会があって、そのとき、うっかり口を滑らせてしまったらしい。
『あっ、コイツ、シルバーの、……っ』
『……シルバー先輩が、どうかしました?』
『別に、なんでもねえよ。お前には関係ねえだろ、アイツの恋人でもあるまいし』
『それも……そうだな』
そうして去ろうとしたデュースの背中に、クラスメイトはぼそりと呟いてしまった。
『……マジで恋人だって言わないんだ。ホントにキープされてんのかも、アイツ……』
『それ、どういうことだ!?』
『うわっ!? は、離せよ!』
『話してくれたら離す! どういうことか、洗いざらい吐け!』
それで、先日、俺と話したような内容をデュースにすべて話してしまった、ということらしい。……困った。アイツが悩み、苦しむかもしれないから、そのような懸念は、隠しておこうと決めていたのに。
「……正直に話してくれてありがとう。事情を把握できて、助かった」
「お、怒ってねえの?」
「お前も、俺を心配してくれてのことだったのだろう。……巡り合わせの悪い、かけ違いだ。怒るよりも、これ以上事態が悪くならないように対処をしなければ」
そうしてクラスメイトを残して教室を後にし、デュースの元へと足を急がせる。けれど、間が悪いのか、なかなかデュースには会えない時間が続いた。そんなとき、ちょうど魔法薬学において一年生と二年生の合同授業があり、ようやくデュースに会えた。と思ったそのとき、声をかけようとすると、
「デュー、ス……」
「……っ」
ふい、と顔を背けられてしまった。……デュースに、拒まれた。俺は、心臓がドクドクと脈打つような感じがして、もう一度声をかける気にはとてもなれず、その授業は別々に過ごした。けれど、俺はそれを後からとても悔やんだ。せっかく少しでも話ができる機会だったというのに、自らの弱さで不意にしてしまった。もう一度、時間を取って、ちゃんと話したい。
とはいえ、またあのように拒まれてしまっては、話どころではなくなる。だから、次善の策も考えた。――もし、時間がなくとも、また拒まれようとも、きちんと俺の想いを伝えたい。俺の想いを伝えた上で、それでもデュースがもう俺を受け入れられないというのであれば、もうそれは仕方のないことだ。だけど、まだ俺にはやれることがある。やれるだけのことをやってみてからでも、遅くはないはずだ。
俺は購買部へ赴き、いくつかの必要なものを買い足した。
それから、また翌日の中庭。曇天の空が広がる中、俺は中庭で眠るふりをしていた。雨が降りそうなとき、アイツはいつも、俺が雨に濡れて風邪を引いては大変だと、起こしに来てくれるから。もちろん、親父殿をはじめに、他にも俺を心配して起こしに来てくれる人はいるが、今日その人たちには俺を放っておいていいと事前に通達してある。絶対の確実な手とはいえないが、使えるものはなんでも使いたい。アイツの優しさを利用するようなことに少し心は痛むが、今以上に悩ませたくはないための手立てだと、その心の痛みにも耐える。
やがて、人が近付いてくる気配がした。……もう少し近づいてこなければ、誰のものかは分からない。その気配は、俺の傍で足を止めて、そのまま、立ち止まっている。……何か、逡巡しているのだろうか。
そのうち、ぽつりと冷たい水が俺の頬に一滴落ちた。……ああ、実際雨が降り始めたのだろうな。人の気配は、慌てたように俺の傍に近付いて、先輩、と声をかけた。すぐに身体を起こし、その腕を掴み目を開ける。
「デュース」
「せ、先輩!? 起きて……っ」
逃げ出そうとするデュースを捕まえ、腕の中に閉じ込める。
「話が、したいんだ。お前と……、一言だけでも、どうか、言葉を交わさせてくれ。だが、その前に……」
……このままでは二人とも雨に濡れてしまう。どこか、別の場所にうつらなくては。俺がそう言うと、デュースは顔をあげようとして、やめた。
「デュース? どうしたんだ?」
「……くそっ、これだからシルバー先輩に会いたくなかったのに……っ!」
デュースの顔を覗き込むと、その顔は、涙をめいっぱいに溜めて、悔しそうに歪んでいた。
「なぜ、泣いているんだ? 俺が、思い悩ませてしまったのか?」
「まだ泣いてないですっ! でも、俺、情けなくって……っ」
「……何が、情けないんだ?」
ぽつりぽつりと雨粒が増えていく曇天の空を気にしつつ、その身体が濡れないようにとデュースを木陰の方へと入れてやる。あまり広くはない空間だが、上に葉が生い茂り覆い重なって、自然の屋根になっている。ここならば少しは雨が凌げるはずだ。
「だって、シルバー先輩、悩んで、気にしてたんじゃないですか……っ!」
「……俺?」
「そうですっ、シルバー先輩のクラスメイトの人から、シルバー先輩が、僕にキープされてるんじゃないかって、心配したかもって聞いて……っ。こないだ態度ヘンだったのは、それのせいなんじゃないですか!?」
「それは……」
確かに、そうだ。一瞬だが、デュースに疑いを持ってしまった。けれど、あれは確かにあの日、俺が勝手に好きでいればいいと思い直して、俺の中ではとうに解決したことに過ぎなかった。だが、デュースはどうもそのときの俺の態度を気にしていたらしい。
「シルバー先輩は、いつもそうだ……っ、自分ひとりで、勝手に決めて、勝手に解決しちゃうんだ! それって、僕が頼りないからですか!? まだ、怖気づいてる僕のせいなんですか!? ……僕がちゃんと恋人になれる奴だったら、ちゃんと隣に立てるようなやつだって扱われて、先輩が悩んでたことも、気にしてたことも、相談してくれたんですか……っ!?」
デュースの目から、涙がひとすじポロリと落ちる。……ああ、これはきっと悔し涙だ。俺が、ちゃんとデュースを一人前に、対等な存在として、扱ってやらなかったことへの。……俺は、どうしようかと言葉に迷う。俺は、口下手だと言われやすい方だ。言葉だって、得意じゃない。だけど、いつだって、自分が大切だと思うものには、誠心誠意を尽くしたい。
「……紫陽花の、ようだと」
「え?」
「紫陽花のようだと、思っていたんだ。お前を、一人前に扱っていなかったわけではなくて……だから、その……、すまない、今、うまく口にできない。昨日の夜、お前にちゃんと事情を説明しようと思って書いた手紙が、ここにある。だから、代わりにこれを読んでくれないか」
「手紙……? 先輩から、僕へ……?」
「……ああ。不慣れな中書いたものだが、どうか、これを読んで欲しい。お前に伝えたいことは、すべてここに書いてある」
『デュースへ
こうして、改まった手紙をお前に書くのは、初めてのことになる。親しい人相手でも、こうして自分の気持ちを文章にするということはなかなかしないから、多少読みにくくても許してもらいたい。
俺は難しい前置きが得意でないから、さっそく本題に入ってしまうのだが、今回筆を執ったのは、お前の心を悩ませていることが、もし、俺のクラスメイトから聞いた、キープがどうこうという話であるのならば、それはもう俺の中では解決した話だから、悩まなくていいということを伝えたかったからだ。
なぜなら、俺は、お前を愛すると決めた。たとえ騙されていても、俺が決めたことの結果ならば、それでかまわない、と。
だが、それを決めて、この手紙を書きだしたあと、俺は、これを良くないことではないかと思った。もし嘘をつかれていても、騙されていても、なんて、まるでこれでは俺がお前のことを信じていないようだ。そんなはずはない、デュースがそんなことをするわけはないと、俺は確かに信じたくて、そう、今だって信じているのに。だから、気にすることもなくなっているはずなのに。
それで、こんなことでお前を信じた証になるのかは分からないが、正直な今の俺の気持ちを述べる。ありのままの、俺の気持ちだ。以前、お前に好きだと言ってやることができる気がした、と言った。その気持ちは今でも変わらないし、今でも口にしてやれる。ただ、いつでもそれだけの言葉に納めてしまうには、あまりにも、俺の気持ちは、不思議な形ばかり取っている。
きっとお前にとっておかしな話をするが、俺は、お前のことを、紫陽花の花のようだと思っている。お前は、まわりの環境で、良くも悪くも色を変えて、手をかけてやらなければ、状態が悪くなりやすくて、そして、花びらが鮮やかに色づくまでには、時間がかかる。だから、俺はその花びらの色が鮮やかに染まる日まで、お前のことを待ちたいと思っているんだ。気に入った花が色づくのを楽しみにすることは、きっと誰にだって少しは経験のあることだろう。お前の花びらが色づくその日まで、手を入れ、水をやるその役目が、俺であれることが、今はただ、嬉しい。
だから、つまり、何を言いたかったのか……。俺は、今回のことが、お前の状態を悪くするかもしれないと危惧していた。だから、つい隠してしまった。けれど、人の口に、戸は立てられない。後からお前に、こうして望まない形で知られるくらいなら、きちんと事前に相談しておくべきだったと、今では悔やむ思いもある。
正直なことを言えば、俺もまだ、未熟なんだ。何もかも完璧にしてやるには、まだまだの男だ。それでも良ければ、また、お前の傍にいさせてほしい。
お前に拒まれたり、お前の傍にいられないことは、俺にとって、とても辛い シルバー』
最後の一行に取り消し線が引かれたその手紙を読みながら、デュースは大層大事そうに、それを胸にぎゅっと抱えた。
「先輩、せんぱいは、ずるいです。いつも、いつも僕ばっかりいろんなことしてもらって……っ」
「……その、うまく伝わったかは分からないのだが……どう、だろうか?」
すると、デュースの方から、ぎゅっと俺に抱き着いてきた。……これは、初めてのことだ。初めての、デュースからの抱擁。俺は、それを、妙にくすぐったいような、安心したような心地で抱き返した。
「僕、ずっと考えてたんですっ。シルバー先輩が、僕に何も言ってくれなかったのは、僕のことで悩んでたのに相談してくれなかったのは、僕がきっと、……シルバー先輩の傍にいるのに、頼りないやつだったからなんだ、って……。でも、こんな、こんな……っ」
「……ゆっくりでいい、デュース」
デュースの頭を、ぽんぽんとあやすように優しく撫で下ろす。
「僕の方こそっ、先輩を不安にさせてるような奴なのに、相談さえさせてやれないような奴なのに、傍にいていいのかって、先輩……っ」
「……ふっ。俺は、なんだかお前を泣かせてばかりだな」
デュースの目元を、指先で拭う。雨音はもうポツポツではなく、しとしとと、道を歩けば濡れるほどの量へと変化している。
「先輩、僕、まだ、こんな風にしてもらってさえ、ちゃんと皆に言えるような覚悟は、まだできてないのかもしれない、でも、それでも! もう、先輩からもらいっぱなしなのは、やっぱり嫌で……っ」
「ああ」
「だから、今、今なら、他に誰も聞いていないから、言えるかもしれなくてっ、それで、言っても、いいですか」
「……ああ」
「先輩、シルバー先輩。好き、です。僕も、先輩のことが……」
「ああ、デュース」
「まだ、傍にいたい。いてほしい、です」
「……俺もだ。ありがとう……」
ぎゅっと、デュースの身体を強く抱きしめる。すると、デュースの腕が、控えめに俺の背中へと回された。
……この優しい雨が、俺たちを隠してくれる間だけでもいい。このぬくもりを、今はただ、感じていよう。
後日。クラスメイトが気まずそうに、その後どう、と聞いてきた。
「ああ……相変わらずだ」
「相変わらず、って?」
「決定的に別れを告げたりはしていないということだから、心配はしなくていい。俺たちは俺たちなりに、歩んでいく。それはきっと、変わらない」
例えばこの先、俺たちがどんな風に呼ばれる関係になったとしても。
そうクラスメイトへ付け足して、俺は次の授業へと赴く準備を始めるのだった。
――デュースからもらった手紙の返事を、ひっそりとノートの合間に隠して。
『シルバー先輩へ
この間は手紙、ありがとうございました。僕も手紙を書くのは苦手みたいで、この手紙を書くまでに、何回か便箋にインクをこぼして、何度も買い直しました……。おかげで返事が遅くなってしまって、すいません。
この間、手紙もらった日、僕、気持ちが昂って、いろいろ言ってたと思うんですけど、シルバー先輩が僕のことを信じようって決めてくれてたこととか、正直な気持ちとか、いっぱい言葉にしてくれて、嬉しかったです。
ただ、アジサイの花みたい、っていうのは、なんだか僕に似合わなくて、あとで読み返したら、ちょっと恥ずかしくなっちゃいましたけど……。
でも、僕も先輩に気持ちをお返ししたいので、恥ずかしくても、ちゃんと返事を書こうと思います。
僕は今、少しずつ、先輩のことが好きって言える範囲を、広げていきたいな、と思っています。今は、先輩と二人きりのときに、ちょっとずつ練習してますけど……。まず、先輩の大事な人たちの前でくらい、ちゃんと言えるようにならなきゃダメですよね。それから、寮長とか、監督生とか、僕の世話になってる方の人たちにも。ちゃんと、大切な人だって紹介できるようになりたいです。
僕も、先輩への気持ちを、好きだって簡単な言葉でひとつにまとめるには、もっといろいろなたくさんの気持ちがあるような気がするんですけど、他にむずかしい言葉を知らないし、みんなに伝わるのがそれだから、他の人たちに伝えるときには、そう言うしかないのかな、って思っています。
でも、そういうのもシルバー先輩だけは分かってくれるのかな、って。分かってくれてたらいいな、って、また僕は気を抜くと先輩にばっかり甘えてしまいそうで……。だから、えっと、なんていうか。
僕はきっと、先輩よりも未熟で、いろんなことがまだまだで、だから、今もこういう関係に落ち着いてるんだと思うんですけど、それでも良ければ、僕もこれからもっと、ずっと、シルバー先輩の傍にいたいです。それで、もっと先輩の役に立てるようになりたいです。シルバー先輩は、僕にとって、とても大切な人だから デュース』
*おしまい
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