*相変わらずやりたい放題です。なんでも許せる人向け。詳しくは以下の注意書きを呼んでください。
・性的描写があります。高校卒業以下および18歳以下の方は閲覧をお控えください。
・攻めの自慰を受けが手伝う描写あり
・もはや襲い受けに近い積極的な誘い受け
・受け(デュ)がめっちゃ攻め(シル)のこと可愛いって言うし可愛がります。
・攻めも涙目になったり真っ赤になったりします。
・上記も相まって、度々逆かこれは? という雰囲気になりますがあくまでもシルデュの誘い受けです
・♡喘ぎあり
・人外パロ【Fragments of a graffiti】の後日談(番外編)になります。
・関係性が深まったので、デュース→シルバーは基本呼びタメになっています。
以上すべて大丈夫な方はスクロール↓
最近、シルバーの様子がおかしい。
おかしいっていうか――僕のことをじっと見たあと、目が合ったと気づくと、ぱっと逸らしたりする。……顔も耳も赤くして。で、シルバーが見てることが多いのは、僕の唇だったりする。……ということでまあ、大体予測はついてるけど、っていうか、結魂の儀をしてから、たまにシルバーが今どんな気持ちか、みたいなのが流れ込んでくることがあるようになったせいで(僕の方も向こうに流れ込んでるのか?)ものすごく分かってしまうんだけど、どうやら――赤ちゃんみたいにまっさらだったシルバーにも、大人の階段を昇るときが来たらしい。
だからって、僕はそれを否定したり、拒絶したりするような気はないし、なんならちゃんと年上の大人として、どうしたらいいのかをひとつひとつ教えてやるつもりだ。正直、そういうことが気になりだしたのは、僕のせいなところも否めないし。なんで僕のせいなのかっていうと、それは、少し前にまで遡る――
それは、いつも通り朝にシルバーをスーパーに迎えに行ってから、家でシルバーが眠るのを見て、僕も少しうたた寝したくなって隣でひととき眠ったあとのことだ。この身体になってから、睡眠時間が大して必要なくなった僕は、シルバーが起きるよりもずっと早い昼間の時間に目を覚ました。
ぼうっとしながら、まどろみの中、目蓋を開ける。
「……」
眠ったあと目が覚めたとき、目の前にシルバーの小綺麗な顔があるのにも慣れてきた。シルバーは、すう、と静かな寝息を立てながら、リラックスして眠っている。
「よく寝てるな」
整った顔立ちとは裏腹に、あどけなく無防備な寝顔を見せる年下の押しかけ恋人の髪をサラサラと指先で撫でながら、僕は迷っていた。
(……いつかは教えなきゃならないよな……)
シルバーは、恋人たちの触れ合いを、いわゆるキスやハグ以上のことは、たぶん知らない。この関係になる前に、えっちなことをしたいかと聞いたこともあるが、そのときも不思議そうな顔で首を傾げていた。
(でも、どれくらい耐性とかあるのか分からないし……うーん)
サラサラと霜の降りた銀の髪を撫で続けていると、無意識にか、すり、とその手に頬が寄せられた。
(……可愛い)
思わず、ふ、と笑みを浮かべる。そしてこう思うんだ。
(この、今の僕を信頼しきってる無防備な感じも可愛いけど……でも、ちょっとだけ。少しくらいなら、イタズラ……してみても、いいよな。物は試しだ)
すやすやと眠るシルバーの頬にちゅ、とくちづけて、それから耳にもくちづける。ぺろ、と舌先で耳たぶをくすぐり、また何回か、ちゅ、ちゅとリップ音を立てていると、弱い力で体を押し返された。
「デュ……デュー、ス? 何、してるんだ……?」
目覚めたらしいシルバーは、混乱しているみたいで、顔が見るからに真っ赤だ。その上、頭の上には疑問符の?がたくさん浮かび、どこか泣き出しそうにも見える。
「んー……なんだと思う?」
「……分からない……」
意地悪しないで教えてくれ、と腕をぎゅっと握られたので、耳元で答えをささやいた。
「……えっちなこと、してた」
「こ、れが、そう、なのか?」
「違うかも」
「違う……?」
ますます混乱して真っ赤になるシルバーが、とても可愛い。このピュアな年下彼氏、僕の欲が大して無くなってなかったら今ごろ取って食ってるところだ。だって可愛い。
「今のは、序の口。ほんとはもっといろんなすごいことする」
「いろんな、すごい……?」
「……なあ。今、僕に耳、キスされてどうだった? ……気持ち良かった?」
「……くすぐったくて、ドキドキして……変な、感じだ」
ぐっ、いちいち可愛いな……。
「そういうことを、他にもいっぱいするんだ。……好きな人とだけ、誰にも秘密で。それが、えっちなこと……」
「……っ」
シルバーはぎゅっと目を瞑ってしまう。そ、そんな刺激強かったかな。ただ説明してるだけなんだが。
「こういうの……、もっと知りたくなったら、いつでも僕に言っていいからな。ちゃんと、全部……教えるから」
そこまで口にすると、シルバーからぎゅっと縋り付くように抱きつかれてしまったので、ぽんぽんと宥めるように頭を撫でる。
「ま、今すぐの話じゃない。そういうのに興味持ったら、で大丈夫だからな」
その後は腕の中の恋人が落ち着くようにと、いつも通りに甘やかした。
――あれからだ。あれがあってから、シルバーはたまに、僕のことを、そういう目で見るようになった。まあ、まだどういうことをすればいいのか分かってないみたいだし、またあれをやってほしいとか、他に何をするのか知りたいとか、思ってるとしてもその程度のことなんだろうけど。
とはいえシルバー側からちょっとは相談してくれないと、僕も対応しようがない。恥ずかしくて言えないのかもしれないし、どうやって言わせたもんかなと考える。ちなみに、今はシルバーの隣で寝ている。僕らは相変わらず残暑の暑さを避け、夜に活動して昼間に寝るサイクルを繰り返しているから、今は昼間の時間帯だ。僕もシルバーみたいに倒れるほど苦手なわけではないとはいえ、暑さが得意なわけじゃないしな。
前とは変わったことと言えば、僕のベッドが役に立たなくなったことだろうか。僕は昼間に活動することも多いから、毎日ってわけじゃないが、僕も眠るときはシルバーが一緒に寝たいってねだるから、日の当たらなくて涼しくしたシルバー側のベッドで一緒に眠っている。だから、僕のぶんのベッドは無用の長物、荷物置き場になってしまった。ったく、寝るときまでたくさん一緒にいたがるの、ほんとに僕のこと大好きで……可愛いよな。
って、違う違う。惚気たいんじゃなくってだな。ええと、それで! ……そうそう、結魂の儀で魂が変質した効果なのか、シルバーも前より睡眠時間が短くなって、日中にも以前よりもう少し活動できるようになった。1~2時間っていうか、3時間ないくらいなら、しっかり対策していけば外にも連れて行けるんだ。本当にいざというときには僕の持つ冬の力で補給もできるし……。だから、店とかもいくつか見せてやれた。その代わり行き帰りの車の中で居眠りしたりするのは、ご愛敬って感じだな。気を抜くと寝ちゃうの、小さい子みたいで可愛いよな。っとと、違う違う、そうじゃなくて。
だから、夜は働いて、昼は寝ているシルバーが、その起きられるようになった時間に起きてたりするときは、いちゃいちゃしたり、かまったりしてるんだけど。今日はぐっすりみたいだ。慣れない気持ちが湧いてくるから、気疲れしてるのかもしれないな。
「お疲れ、シルバー」
耳元で労いの言葉をささやいて、そのまま耳にちゅ、とキスをする。するとなぜか、シルバーは、んん、と眉をしかめてうなされているような顔をした。
「なんだよ、嫌なのか?」
冗談めかしてシルバーのさらさらとした髪を撫でていると、あることに気づいた。ははっ、そういうことか。僕はシルバーを、ゆっくりと揺り起こす。
「シルバー。起きろ、シルバー」
「……ん……デュー、ス……?」
「ん、おはよ」
とりあえずこめかみにおはようのキスをしておく。すると、シルバーはほっとしたような溜め息を小さくついた。まったく、どんな夢見てたんだか。
「な。身体にヘンな感じとかしない?」
「ヘンな感じ……」
シルバーは、身体をむずがゆそうに動かす。変な感じ、するだろうな。
「……する、というか……」
「うん」
「……これ、なんだ……?」
シルバーは、自分の身体を見て、驚いている。腰のあたりで立派に服を押し上げた、三角の丘が出来てるからだ。
「大丈夫、病気とかじゃないから」
シルバーが落ち着くように、そして僕がそれを見て嫌だと思っていないことを伝えるために、頬にちゅ、とキスをする。
「デュース、何かしたのか?」
「今回は残念ながら、僕は何もしてないな。……あ、いや。ちょっとはしたかも」
「した、のか?」
「寝てる間に、こうやってちゅってしただけだぞ?」
そう言って、また耳にちゅ、とくちづける。シルバーはくすぐったそうに身をよじった。
「なら、これは……? 元に戻るのか? どうやって、戻したらいい?」
「こうなるの、初めてか?」
こくりと恥ずかしそうにうなずくシルバーに、よしよしと頭を撫でる。確かもう100歳だったと思うけど、やっぱり精霊となると人間とは成長の仕方も段階も変わってくるみたいだな。ローズハート管理部長の図書室で、精霊や死神の身体について予習しといて本当に良かった。
「じゃ、戻し方覚えないとな。ほら、身体起こして……。ここ、開けて見ても大丈夫か?」
シルバーの身体を起こさせ、腰の丘を指先で撫でる。それにもシルバーはぴくりと反応した。
「……あ、ああ……」
「ん、じゃあ出すぞ」
ベルトを緩め、勃ってしまっているシルバーのものを出す。お、可愛い顔して持ってるモノはなかなかじゃないか。なんて僕ちょっとオッさんじみてきたかなあ、実質145歳くらいだもんなあ、生前の25年と合わせて……なんてちょっと物悲しくなる。
「シルバー、手出して。利き手の方」
「……」
シルバーは大人しく右手を差し出してくる。僕はその手を、そのままシルバーのものを握るように持っていかせた。
「デュース?」
「あのな。今、シルバーはちょっと恥ずかしいかもしれないけど、真面目で大事な話だから、ちゃんと聞いててな」
「……ああ」
「ここ、自分で勃つようになっててさ、いつもと違うだろ。これは『勃起』って言って、好きな人にえっちなことしたいな、とか、そういう気分になったときに起きることなんだ」
「あ、ええと、俺は……」
「大丈夫。僕はシルバーがそう思ってるの、嫌じゃないから、な」
シルバーが落ち着くように、頬にまたキスをする。
「でも、このままだと人に見られたら恥ずかしいだろ? 今、僕はえっちな気分ですって言ってるのと同じだからさ。だから、治し方があるんだ」
僕の手をシルバーの手に添えて、ゆっくりと上下に動かさせ始める。
「こうやって、最初はゆっくり、優しく触ってやって……。そしたら、身体になんか変な感じ、してくるだろ?」
「ん……」
シルバーの息が、少し荒くなる。……やべ、色っぽいな。中身まっさらなクセして、見た目の色気がすごい。謎の背徳感がある。
「それが、気持ちいい、って感じになるまで、こうやって手で擦ってやるんだ。ずっと。……気持ちいいなら、ちょっと速くしたり、強くしたりしてもいいぞ。ほら……自分の好きなようにしてみな?」
「だ、だが……」
なんだかまだ躊躇いがあるな。まあ、そうか。恥ずかしいしワケわかんないよな、初めてだと。
「……頭の中で、えっちなこと考えてもいいんだぞ? その方が早く治るから」
「そ、んなことを、言われても……」
「ったく、仕方ないな。最初だけだぞ?」
僕はシルバーの手の上から改めて自分の手を重ね、そして動かさせ始めた。右手は動かしながら、ついでに、シルバーの口に何度もキスをする。
「ん……シルバー。好き、可愛い。な、僕にえっちなこと、したいか……?」
「は、デュース……っ」
「ふふっ、気持ちいいな……?」
シルバーは恥ずかしそうだけど、僕のやることだから拒めないのか、じっと気持ち良さを与えられながら耐えている。そうしているうちに、絶頂が近くなったらしい。シルバーが首を振り、僕に縋る。
「デュ、デュース、ダメだ、何か……、出てしまう……っ」
「ん。出していいぞ」
「く、ふ、う~~~~~~……っ」
シルバーが出したものを、手のひらで受け止める。どろりとした白い液体……ではなく。さらさらとした水が、手の中に溜まった。
(へえ、雪の精霊だと精液じゃなくて水になるのか)
後始末が楽でいいな、なんて情緒のないことを考えながら、僕はティッシュで手元を拭き、まだ混乱しているシルバーをぎゅっと抱きしめ、頭を撫でた。
「ん、上手にできたな。ほら、元に戻ったろ」
「……あ、本当、だ……」
大人しくなったシルバーのものを見せて、軽く拭き、しまってやる。そこまでするとシルバーも少しは落ち着いたようで、ほう、と深い溜め息をついた。
「……とても、ドキドキして、恥ずかしかった……」
「初めてなったのなら、またそのうちなるぞ? 次は一人でどうにかしないとな」
「うっ……、善処する」
ところで、とシルバーは言った。
「……デュース、君は、俺が、その……」
「ん? えっちな気持ちになってたの? 知ってるぞ。魂繋がってるんだからな」
「……」
後悔と後悔してないみたいな気持ちが混ざって、ずいぶん複雑な気持ちになってるみたいだな。シルバーの気持ちが特に強いときくらいしか、僕まで伝わってはこないから何から何まで分かるわけじゃないんだが。
「あー、えっと。全部が全部、分かるわけじゃない。特に強い気持ちをたまに感じるだけだから、秘密とか隠しごとみたいな細かいことは勝手に見れてないから、安心していい、はずだ」
「特に強い、気持ち……。そんな、気持ちが……」
フォローしたつもりが、余計に刺さってしまったらしい。困ったな。
「……な。シルバー。僕、いつかちゃんと、シルバーと一緒に、えっちなこと、最後までしてみたい」
「そ、うなのか?」
「ん、そうだ。……だから、シルバーが、そういうこともできるように、初めて大人の階段上ってくれたの、僕は嬉しいんだけど……」
シルバーは嫌か? と聞いたら、シルバーは答える。
「その……正直、恥ずかしくて、ワケが分からなくなって、得意な感覚や、ことじゃない。だが……デュースがしたいと言っていることを、一緒にできるようになるためなら、悪いことではない、のだと思う……」
「そっか」
それなら良かった、とシルバーの髪をぽんぽんと撫でた。それから目と目を合わせて、じっと見つめて、笑った。
「ともかく、ひとつ大人になったな? おめでとう、シルバー」
「……ああ」
「僕も初めてなこともあるし……これからひとつずつ、一緒に覚えていこうな」
頬に添えられたシルバーの手に手を重ねていると、シルバーは驚いた顔をした。
「……デュースにも、初めてのことがあるのか?」
「そりゃ、生前も恋人いなかったし、誰かと一緒にえっちなことするのなんかこれが初めてで――」
そこまで言うと、シルバーは嬉しそうに笑った。
「そうか。……二人での初めてのことになるのなら、ちゃんと、覚えたい。勉強もするから、教えてくれ、デュース」
「ん、分かった」
そうして僕たちの、秘密の勉強会は始まったんだ。
次の日。早速僕たちは新たなえっちの勉強を始めた。と言っても、まだ全然本番にはたどり着かない、初歩的なところからだ。
「最初はやっぱり、キス……からだよな」
「そうなのか?」
「んー……キスの前にも、ハグしたり、好きだって言ったりしてムード作るのもあるらしいけど、でも、それはシルバーはもうバッチリだから」
「バッチリ……」
褒められて嬉しいのか、なんとなくシルバーのまわりに嬉しそうなオーラが漂っているというか、ぶんぶん振られてる犬のしっぽと耳が見える。……可愛い。
「じゃ、まずはいつものちゅーしてみるか」
ほらいいぞ、と目を閉じると、シルバーはすぐにくちづけてくる。唇が離れたあと、目を開けて、シルバーに舌出して、と声をかける。
「べーってしな、べーって」
「べ?」
言われるままに舌を出すシルバーに、びっくりしてもそのままだぞ、と言って、舌を絡めるようにキスをする。
「ん……っ」
「……ん」
驚いてるな、と思ったから、口の中をいじるのは、少し舌先を絡める程度にしておいた。
「デュース、これは?」
「大人のキス。ほら、シルバーからも僕にしてみてくれ。……やり方わかるか?」
「……たぶん、大丈夫、だ」
「ん、じゃ、ほら」
口を開けて目を閉じ、シルバーを待つ。薄目でチラリと様子をうかがうと、本当にいいのかと逡巡しながらも手を伸ばしてきて、ゆっくりと顔を近づけてくる様子が見えた。……ああもう、可愛いな……。なんだこの可愛い生き物。僕がほんとにいろいろ教えちゃっていいのかな。
そんなことを考えているうちに、ざらりとした舌の感触が触れてくる。人間だったらここは暖かいとか熱いって言うとこなんだろうけど、雪の精霊と冬の神である僕らは触れ合えば触れ合うほど、互いの温度に冷えていく。そして、それが心地いい。
「ん……」
「……っ、ふ」
これでいいのか、合ってるのかと言いたげに縋る目をしながら、一生懸命に舌を動かすシルバーが健気で仕方ない。
塞がれた口で合ってるよと言う代わりに、シルバーの後ろ髪に手を回して、サラサラの髪を撫でた。
ひとしきりいじられたところで、唇が離れる。
「はあ……、きもちい……」
「気持ち、良かったのか?」
「ん。……な、シルバー。シルバーは、気持ち良くするのと、してもらうの、どっちが好き?」
「……デュースに、気持ち良くなってもらう方が好きだ……」
お、うちの王子さまは攻め志望か。ま、慣れないうちから身体への負担が大きい受けをやらせるつもりもなかったし、いいだろ。予定通りだ。
「じゃあ……今度はもっとドキドキする姿勢で、してみないか? ……大人のキス」
「それは、どういう……」
シルバーの体を引っ張って、ベッドに引き倒す。自然、僕の上に倒れ込まないようにと腕を突っ張ったシルバーは僕を押し倒す形になった。
「こうやって、誰かを自分の身体の下に押し倒すのは、それも『あなたにこれからえっちなことをしたいです』って言ってるのと同じなんだ。だから……」
他の人にしちゃ、ダメだからな? そう耳元で囁けば、シルバーは分かったしない、と焦ったようにこくこくと頷いた。
「ん。でも、僕にはしていいってことは……次にすること、分かるよな?」
シルバーの頬に手を添えると、その手に手が重ねられ、そして、そっと手を下ろし、指を絡めた手を枕に下ろされながら、また『大人のキス』をされた。
(ったく、指絡めるのなんか、どこで覚えてきたんだ? 天然か? 末恐ろしいな……)
なんてことを思いながらも、シルバーのキスをありのままに受け入れる。どうやら僕らの身体の相性は悪くないみたいで、ただキスしてるだけでも中々に気持ちいい。
「ん、ふ……っ、んん、ぅ……」
「……ん、う……」
気持ち良くて、ぼーっと蕩けた目でシルバーの顔を見つめる。なんか、ついでに身体とかも触ってってもいいんだけどな、なんて邪な気持ちが出てきたところで、それが溶けあった魂を通じてシルバーに伝わったのか、する、と身体を撫でられた。
「ん……っ」
「す、すまない。大丈夫か?」
痛みを与えたと思ったのか、シルバーは泣きそうな顔でこっちを見てくる。あまりに切羽詰まってしまってるのがまた可愛くて、違う違う、と僕は笑った。
「痛いんじゃなくて、気持ちいいんだ」
「……そう、なのか?」
「ん。僕が触って欲しいって思ってたから、触ってくれたんだろ? ……な、シルバー、もっと。もっと僕のいろんなとこ触って、気持ち良くして?」
「わ、かった……」
シルバーはおずおずと、でも確かに僕の体を撫で始める。なあ、キスは? とねだると、ちゃんとキスもするようになった。大人のキスと、たまに普通のキスを織り交ぜながら。はは、覚えが早いな。これじゃ僕、そのうちあっという間にめちゃくちゃにされちまいそうだ。
「ん……、ふっ、んん……」
「……デュース……」
シルバーの手が、僕の肌を優しくなぞる。そんなに丁寧にしなくてもいいのにな、と思いながら身体をもじらせていると、やがて、シルバーの指先が乳首に触れた。
「あっ……」
散々まわりを撫でて焦らされてからの刺激に、さすがに声が上がってしまうと、シルバーの方が驚いた顔をしていた。えーっと……そろそろさすがに僕も恥ずかしくなってきたけど、ちゃんと教えなきゃ、だよな。
「……あ、びっくりさせたな、えっと、今のは、喘ぎ声って言って、その、身体の敏感なところとか触られて、すごく気持ちいいときに、つい出ちゃう声で……んっ!」
説明が終わらないうちから、また乳首に触れられる。ど、どうしたんだよ急に積極的になって!
「……つまり、デュース。君は、ここに触れられると気持ちいいということか?」
「そ、だけど、や、まだ説明終わってな……っ、あ、も、んん……っ!」
「ああ。ぜひ、続きも教えてくれ。こんな風に、指で触れていればいいのか? 他にも、君が気持ちよくなるやり方はあるのか?」
「そ、れは、口とか、舌で舐めるとか……ん、あっ!」
言ったそばから、シルバーは僕の乳首を、服の上から口に含む。思わず漏れる声を手で塞いだが、間に合わない。
「嫌なら言ってくれ、デュース」
「や、じゃない、けど、待って……」
そんなことを言ってると、隣の部屋から、トン、と軽く壁を叩かれた。やべ、聞こえたっぽいな。
……パチリと指を鳴らして部屋に結界を張る。普通の人間にはこれで中の音も聞こえないはずだ。で……わざわざ結界まで張ったのを見られてるんだから、意地張ってもしょうがない。僕は、羞恥心を抑えながら、シルバーにねだった。
「シルバー……もっと……」
直接触ってもいいから、とTシャツの裾に手を入れさせると、そのまま胸までゆっくりと服はたくしあげられた。
「これが、デュースの……」
「……別に、変な身体じゃないだろ……」
罪人の証みたいなものは背中にしかないし、まだ見えてない……はずだ。
「……」
「あっ……」
シルバーがまた頭をもたげて、僕の乳首を舐めたり、食んだり、舌先で転がしたりと弄ぶ。
「ふっ……、俺は、自分ばかりがおかしな気持ちを持つようになってしまったのかと思っていたが、君もなかなかだな、デュース」
「な、にがっ……、」
「……こうしてほしいのだろう?」
シルバーは片方の乳首を舐めながら、もう片方の乳首を指先で転がし、爪先でカリ、といじる。
「あ、ん……っ、や、シルバー、それだめ……っ」
い、いや、僕、えっちな気分にはなってるかもしれないが、そんな、詳細にこうして欲しいとまでは考えてないぞ……!? 一体どこからの知識なんだと思ってる間もなく、攻められ続ける。
「デュース、可愛い……もっと、声、聞かせてくれ」
「あ、あ、だめ、だめっ、シルバー……っ」
シルバーに胸をいじり続けられ、ぎゅっと身体を抱きしめる。すると、僕のものが勃っているのが見つかってしまった。
「これは……、そうか。昨日は俺が手伝ってもらったのだったな、デュース。俺も、お返しをしよう」
「あ、待ってシルバー、そこは……っ」
ズボンとパンツが脱がされ、僕のものが露わにされる。ま、まだここまでは早いって思ってたんだが……!
「……ん」
「え、シル……あっ!」
シルバーは、何を思ったのか僕のものを口に含む。それから、舌先でれろ、と舐めたり、かと思えば指先でふにふにと刺激を与えてきたりした。
「あ、あっ、シルバ、やだそれ、どこで覚えてき……っ」
「たった今、君から教わった」
「やあっ、んなとこで、喋ったら、ぁ……っ」
シルバーの与えてくる刺激に合わせて、腰がビクビクと動く。身体にゾクゾクとしたものが募る。こ、こいつ、僕も初めてだって言ったの忘れてんじゃないだろうな……っ!!
「デュース……気持ちいいか? 好きだ、デュース」
そういえば昨日、僕も好きだって言いながら手伝ってやったっけな……。急に可愛げを見せてくるシルバーに、情緒が混乱してしまう。
「だめ、しるば、だめ、もっ、僕……っ」
「……ん」
抗えない気持ち良さに首を振っていると、シルバーのものも勃っていることに気づいた。……興奮、したのか。僕なんかいじってて……。
「しるば、のも、たってる。ふたりでしたい、シルバー……」
「……分かった」
シルバーは僕の身体を起こすと、自分の身体に寄りかかるように僕をシルバーの身体の上に乗せた。
そして、自分のものも出して、僕のと一緒に擦り始める。僕はされるがまま、シルバーにしがみついてることしかできない。
「あっ、ああ、しるば……っ、は、あ、すき、好き……っ」
「……デュース……俺も、好きだ、デュース……っ」
二人で、どっちからともなく、真っ赤な涙目になりながら、何度もキスをして、たくさん手や腰を動かして、を繰り返しているうちに、絶頂が近づいてきた。
「あっ、しるば、ぼく、も、でる、でちゃう……っ」
「……俺も、デュース、一緒に……っ」
「あっ、〜〜〜く、ぅう……っ、んん……!」
「……くっ……」
言い終わるか否かのうちに、僕らは一緒に達してしまう。はあ、はあと切れる息の中、シルバーに問いかけた。
「気持ち、かったか、シルバー……?」
「……デュースこそ」
「僕は、気持ちかった……。ふふ、えっちなことも、上手なんだな」
頑張ってくれてありがとな、と頬にキスをすると、俺こそ、とお礼のキスをされた。
「……明日もえっちなことのお勉強……続き、しような?」
「ま、まだあるのか……?」
もっとすごいのが待ってるぞ、と言うと、シルバーはごくりと喉を鳴らしたようだった。
それから、また夜――じゃなくて。昼が来た。はは、どうにも昼夜逆転の暮らしには、まだ慣れないな。身体は慣れてるんだけど、つい、口がそういう風に言っちまうっていうか。
それで、いつも通りスーパーの夜勤を終えたシルバーを迎えに行って、簡単な朝食食べて。
「じゃ、ベッド行くか?」
なんて尋ねたら、ソワソワした様子で、ああ、なんて返事が返ってくる。ひょっとしたら連日初めてのことばかりで疲れてるかもな、なんて思ったけど、杞憂だったな。
「じゃあ……昨日の復習から。分かるよな?」
ベッドに座って、シルバーを待つ。結界はシルバーが留守にしてる間に改めて効力の高いやつを張り直しておいたから、この壁の薄いアパートでも、もう隣人に声が漏れることはない。
「……ん」
シルバーは遠慮がちに僕の前に来ると、手の甲を取ってキスをした。お、おいおい。シルバーには似合うけどさ、僕には似合わないぞ、こんなの。
「シルバー、これはシルバーには似合うけど、僕には似合わないって……」
「……俺が。君への誠実を、誓いたかっただけだ」
「そ、そっか……」
「デュース」
シルバーの小綺麗な顔が近づいてきて、ちゅ、と唇がくっつく。そのままはむはむと食まれる唇に、だからどこでその応用覚えてきたんだよ、と思う羽目になった。
「デュース、好きだ……好きだ、デュース」
「あ……」
シルバーは僕の身体や、背筋を指先でなぞり始める。……昨日から思ってたけど、僕、シルバーに触られるのに、めちゃくちゃ弱いかもしれない……。何か、すごく、普通じゃない心地良さがあるっていうか……。これも、結魂の儀の効果、なのか? それとも、元からめちゃくちゃ相性がいいだけか? 今となっては、分からないな。
そのままとさり、とベッドに押し倒されて、短い髪が枕に広がる。シルバーのまっすぐな目が僕の姿を捉えていて、ドキ、と心臓が音を立てた。
(まだまだ可愛い盛りだと思ってたのに……。こういうときは、ちゃんと格好いいんだからな……)
ほう、と溜め息をついていると、またキスをされた。今度は深い、昨日教えたばかりの大人のキスだ。
「ん……っ」
「……ん」
キスを受け入れていると、頭の中に僕のじゃない気持ちが流れ込んできた。これは、シルバーのだな。
(頑張るから、デュースに、たくさん気持ち良くなってほしい)
まだまだ教わったばかりのやり方で、一生懸命に僕のことを気持ち良くしようとしてるんだな。それが分かるとつい可愛くて、シルバーの頭を撫でた。
(子ども扱いされてる。もっと、頼りがいのある男になりたい。そう思われたい)
なんだよもう、さては頭撫でられる度にちょっと拗ねてたな? でも、嫌がる様子を見せないあたり、撫でられるの自体は嫌いじゃないんだろう。
「シールバー」
ちょっと機嫌が良くなって、歌うようにシルバーの名前を呼ぶ。
「……なんだ?」
「へへっ、好き」
シルバーの身体をぎゅう、と抱きしめると、シルバーは、俺もだ、と言って抱きしめ返してきた。……ん、幸せ、だな。
「俺も、幸せだ」
どうやら僕の気持ちが魂を介してシルバーにも伝わったみたいだな。すり、と子犬みたいに頬ずりしてきた。んぐぅ、可愛い……。
「な、手握って?」
「ああ」
指を絡めるように手が繋がれる。このまま抱きしめ合ってるだけでも、なんだかすごく幸せだ。
「なんか今日、これだけでもいいかもなあ」
「……そうなのか?」
「んー? 続きしたかった?」
「え、ええと。覚悟はしてきていた……」
「そっか、そっか。じゃ、続きもしなきゃな」
デュースの都合が悪いのなら、俺は別に、と遠慮し始めたシルバーをキスで黙らせる。いいから、好きにしろっての。こんな僕のカラダなんか求めてくれるの、もうお前しかいないんだから。
「は……、シルバー。今日、僕の中、入ってほしい……」
「え……?」
シルバーは驚いた顔をしている。どういうことなのか、ちゃんと説明してやらないとな。
「……えっちなことの、最後ってさ。昨日したみたいなことの後に、ここ……、僕の後ろにある穴、いじって広げてさ。シルバーの、僕の中に入れるんだ。それで……僕の中で、シルバーが気持ち良くなれるように、いっぱい、僕のカラダの中、使って擦ってさ。二人で、一番気持ち良くなるんだ……」
「そ、う、なのか……」
「……したくない、か?」
いちゃいちゃするのは大丈夫だけど、挿れるのには抵抗あるって人もいるもんな。
「い、いや。ええと、……分からない……。でも、その、……気持ち良く、なるのか?」
「シルバーが?」
「デュ、デュース、君がだ!」
「分かってるって。からかってゴメンゴメン」
「……」
「ん。すごく気持ち良くなって、昨日よりもずーっと、恥ずかしくて、変な感じになっちまうかも。シルバーにも、こんな姿見られちゃ恥ずかしい、って思うくらいに……」
「………………っ」
耳元で囁いてると、シルバー少年はまた真っ赤になってしまった。ちょっと余裕あるところ見せられたかと思えば、やっぱりまだまだピュアで可愛いなあ。
「……な。僕、シルバーにしてほしいな。えっちなこと……。たくさん、ヘンになるくらい……」
そこまで言うと、シルバーは改めて僕を押し倒し直した。
*
デュースは、ずるい。自分の言葉が、行動が、どれだけ俺の心をかき乱しているのか、まったく分かっていない。そんなにたくさん、俺のことを煽らないでほしい。でないと、俺の方がおかしくなってしまいそうだ。
「んっ、あ……っ、しる、ば……っ、あ、ん、んん……っ」
耐えるような喘ぎ声が、デュースの口から漏れ出す。その声が耳に届く度に、背筋にゾクゾクとしたものが募り、デュースが欲しくて、堪らなくなる。
まだ、これは昨日教わったばかりの段階だ。デュースの身体に触れ、心地良さを身体のあちこちに与える。デュースが言うには、次は勃ちはじめて少しいじったら、後ろの穴もいじり始めていいということだが……。そろそろその準備も、十分なように見える。
「デュース……っ、はあ、そろそろ、その……触っても、いいか……?」
「ん……、あ、なら、これ……」
デュースはベッドサイドから、何か液体の入ったボトルを取って俺に渡した。何のボトルだろうかと思ってはいたが、まさかこのようなときに使うものだったとは。
「後ろ、ただ触るだけだと、痛くなりやすいから……。この、ローションって、潤滑液使って、触るんだ。……ぬるってするから、びっくりするなよ?」
「分かった。これを使えばいいんだな」
「ん。……遠慮なく、いっぱい使っていいからな」
とりあえずボトルの表面に書かれている説明をざっくりと読み、その通りに手に温度を馴染ませてから、デュースの持つ穴に触れさせ、塗り広げる。
「ん……、大体塗れたら、増やして、中にも……」
言われるがままに、中に入れる指の分も手をどろどろにして、デュースの中に指をゆっくりと挿入した。……誰かの体内に、自分を入れるということは初めてのことだ。傷つけてしまわないかと、背筋に緊張が走る。
「ん……」
デュースは今のところ、痛みを感じている節はなさそうだ。どれくらい入れたらいいのかと思案していると、もう少し入れていい、とデュースに言われた。
「シルバー、今、どのくらい入ってる……?」
「ええと……人差し指の、半分くらいだ」
「じゃ、もうちょっと、二つ目の関節くらいまで挿れたら……指、ちょっとだけ曲げて、そしたら、中、探って、気持ちいいとこ探してみてくれ……」
「わ、分かった」
言われた通り、もう少しだけ指を押し進めて、中を探る。……俺の指を締め付けてくる、これが、デュースの形なんだな、というようなことに考えが至ってしまって、何か妙にゾクリとしたものが背筋を昇る感覚がした。……なんだこれは?
ともかく、デュースを傷つけず、かつ、気持ち良い場所を探せるようにと、ゆっくりと、だが着実に指を動かしていると、ある箇所でデュースが肩をぴくりと跳ねさせた。
「ん……!」
「……ここ、か?」
デュースが反応した箇所に、こわごわと指の腹で軽く押す刺激を与えてみる。するとデュースはますますぴく、ぴくりと肩を震わせ始めた。
「ん、んん……っ」
「……デュース」
どうやら、当たりらしい。もどかしそうなデュースに応えるため、押す以外にも、優しく擦ったり、なぞったり。少しずつ、慎重に刺激を追加していく。
「あ、ん、あ……っ、しる、ば……っ」
デュースの手は枕を掴んで、嫌々と首を振っている。気持ちが良さそうだ。
(前、も、触ってほし……)
急に、頭の中に流れ込んできたのは、デュースの願望だろうか。恐らく、きっとそうだ。昨日も、同じようにデュースがしてほしいと思ってるのだろうことが、俺の頭の中に流れ込んできて、実際にそれをすると、デュースはとても喜んだ。だから。それに触れた。
「あっ、だめ、しるば、中入ってるのに、そんな、ぁ、ああ……っ!」
「好きだ、デュース。たくさん、気持ち良くなってくれ……」
デュースが望むままに、俺はその身体に触れる。たくさん、尽くしたい。俺の身ひとつでもデュースに尽くせることがあるのなら、すべてやりたいんだ。
「ん、んん、もっ、ナカ挿れてほし……っ」
「ま、まだそこまでは広がっていない。……少し、我慢してくれ」
「んぅ~……っ」
焦れてしまっている、と言えばいいのだろうか。まだ指1本しか挿れていないというのに、デュースはもう、俺を求めている。……つい応えたくなってしまうが、デュースから聞いた目安だと、指は3本ほど入るまで広げなければ、後が辛い……痛いらしいからな。痛い思いは、させたくない。だから、少しだけ我慢してもらう。
「デュース。今から、広げるから……それまで、いい子で待ってくれ」
「うう……」
待てなさそうに首を振るデュースに、手段を選んではいられないと、恥を忍んで、上目にねだる。
「お、お願いだ……デュース」
「ん、うん……」
ようやく大人しくうなずいてくれたデュースを片手で抱きしめ、それから、俺はデュースの穴を広げる作業へと着手した。
「あ、んぅ、ふ、ぁあ……♡」
……後ろをほぐしている間に、デュースはすっかり蕩けてしまった。この表情と姿だけでも、俺としては十分に、今にも倒れてしまいそうなほどには刺激が強いと思うのだが、デュースは、これ以上におかしくなる、と言っていた。……見たい。それが、俺だけが見られる、デュースの姿ならば。
「デュース……」
「んっ……」
耳元で囁くと、それだけでもデュースは身体をびく、と震わせた。……耳まで、気持ち良くなっているのだろうか。それなら、それでいい。どこまでも、気持ち良くなってほしい。俺の手で、この身体で。
「そろそろ、挿れようと思うが……、大丈夫そう、か?」
「……も、早くぅ……」
デュースの判断力は、頼りにならなくなってしまっているらしい。……仕方のないことだ。初めて俺が、性欲の処理をデュースに教わったとき、あのとき、デュースの手から与えられる快感に、何も考えられなくなった。デュースは今、あの感じがさらに強くなったものが、全身を襲っているような状態だと思われる。ならばこそ、仕方のないことだと言えるだろう。
このことをすると、デュースはそんな状態になってしまうのだから、俺がしっかりと判断せねばならない。だが、後ろの穴ももうしっかりと柔くなっていて、デュースも、早く早く、と焦れている。……そろそろ、俺も覚悟を決めなくてはならないようだ。
「挿れる、ぞ」
デュースにキスをして、それから、つぷ、とデュースの後ろへ避妊具を付けた自分のものをあてがい、挿入を始めた。……避妊具については、デュースの身体を広げている間に、思い出したかのようにデュースから教わった。恐らく、忘れていたのだろうな。……互いの身体への安全を測るための道具だというのなら、忘れないでもらいたいものなのだが。
「んっ、んん……っ!」
デュースの口からは声が漏れる。だけど、それが痛みからのものでないことは、頭に直接伝わってくる。それは、それだけ強く、デュースが感じ入っているということでもある。
(やだ、気持ちいい、シルバーの挿入ってきてる、嬉しい、好き、あ、だめそこやだ、恥ずかしい、気持ちいい、もっともっとぉ……っ)
「……」
こうまで直接デュースが何を思っているのか伝わってくると、こちらとしても恥ずかしいものがあるが、痛みがないと分かるのは便利なので、何も言うまい。
「やっ、あ、あ……っ、……♡……っ!」
ずぷ、ととりあえずすべて挿入しきってしまうと、デュースは身体を震わせ、その快感の余韻に浸っていた。
「全部、入った」
「ぜん、ぶ……、あ、いま、しるば、ぼくの、なか……」
「ああ……、君と、ひとつになっている」
挿れたあとはすぐに動かない方がいい、と言われていたから、大人しく待って、デュースの前髪をさらりと撫でる。すると、デュースは、自分の腹を手で撫でた。
「へへ……。今、ここに、シルバーがいるんだ……。……なんか、嬉しい、な……」
その様子に、なぜか俺は、胸がドキリと音を立てて――
「ん……! も、えっちだな、シルバー……?」
「……すまない……」
デュースの中で、自分のものを大きくしてしまった。……俺のものがあることにデュースの身体を慣れさせているはずなのに、申し訳ない。
デュースがじっと俺の目を見つめてくる。キスをねだられているような気がしたので、ちゅ、ちゅと触れ合うだけのキスを何回もした。
「シルバー、ぼく、ずっと、すごい気持ちいい……。ふふ、上手だな……」
「……ん」
デュースに頭を撫でて褒められるのを、大人しく受け入れる。少しばかり年下だからと子ども扱いされるのは嫌だが、デュースに褒められるのは好きだからだ。
「な……、シルバー。そろそろ、中、動いて……」
「もういい、のか?」
「んん……。まだ、ダメなのか……?」
「いや……君が大丈夫だというなら。少しずつ、動かしてみる」
「ん……じゃあ、お願い、な」
ねだられるまま、俺はデュースと繋がった腰を少しずつ動かしていく。するとデュースは、すぐに気持ちよさそうな声を上げ始めた。
「あっ、ん、ふぅ、く、ぅ……っ」
「デュース……気持ちいい、か?」
「ん、しるば、きもちい、もっと……っ」
「ああ……、分かっている」
デュースの中の気持ちいい場所を、指で探ったのと同じように、自分のものでも探る。ただ、その過程でもデュースは既に気持ちいいようで、俺の身体にぎゅうぎゅうと腕で巻き付いてくる。
「ん、んぅ、んん、は、しる、ば……っ」
「デュース」
「んん……っ」
そうして中を探っているうちに、コツ、と壁のような場所に当たる。その瞬間、びく、とデュースの身体が大きく跳ねた。
「ふぁ……っ!」
「……ここか」
この壁を刺激してやるには、前後で俺のものを動かさなければならない。そんな風に大きく動かしても大丈夫なものだろうかと思案し、ゆっくりとそのように律動を始めると、デュースは目に見えて反応を変えた。
「あ、や、やぁ、しる、しるば、だめ、そこ、コツコツしちゃ、だめぇ……っ」
「……ふっ。確かに、昨日よりもかなり、刺激が強い光景だな……っ」
俺の身体と繋がったままのデュースが、成す術もなく、気持ち良さで溢れて、目に涙をたくさん溜めて、息を荒くして、顔を赤くして、俺だけのことを考えている。これは、確かに、比べるべくもない。昨日のデュースを可愛らしいと例えるのならば、今日のデュースは……艶(つや)めかしい。
そして何か、このデュースの姿は、俺の中の……欲しい、という気持ちを、やたらと刺激する。目の前の存在が欲しい、食らいつくしてしまいたいというような、獣のような衝動が。……これは一体、なんなのだろうか……。あとでデュースに尋ねてみるとしよう。今はとても、答えられそうにないからな。
「ふ、ふぁ、や、しるば、だめ、ぼく、ぼくもう、いく、イッちゃう、イく、ぅ……っ」
「……行く、とは? どこにだ、デュース」
「いちばん、きもちいっ、とこぉ……っ」
なるほど。そういう風になってしまうことを、イく、と言うのだな。
「分かった……、ちゃんとそこまで、連れていこう」
動きを少しだけ激しくし、デュースの様子を伺いながら、奥の感部を攻め立てていく。すると、デュースは面白いように乱れた。
「ふぇ? あ、や、しる、だめ、あ、そんなしたら、ぼく、も、い、イ~~~……っ!! ……はあ……っ、ん、んう……っ♡」
「くっ……!」
デュースの身体が、俺のことを一際大きく抱きしめて、ガクガクと足が痙攣する。その強い締め付けにつられて、俺も一度、達してしまう。なるほど、これが、絶頂。デュースが、求めていたものか。……だが。
(もう、終わり、か? ……まだ、僕、シルバーと、もっと……)
俺の脳裏に響く声は、まだまだ俺を求めてくれている。
「……ふっ、まだ、君は満足していないみたいだな」
「ふぇ? しる、ばー?」
「安心してくれ。やり方はもう分かった、君が満足するまで、何度でも、俺は尽くそう……っ」
「あっ、しるば、だめ、ぼくいま、イったばっか、で、あ、んぅ……ッ♡」
再び腰を動かし始めると、デュースはすぐに気持ち良くなり始めてくれた。
それからはずっと、デュースが満足いくまでと思い、求めあっていたのだが……デュースに、どのくらい満足させたら終わらせるべきなのかという加減を聞いておくべきだったと後悔したのは、デュースが気を失ってしまったあとのことだった。
「デュース……すまない、大丈夫か……?」
あの後、慌てて自分のものを抜き、デュースの身体を拭いて、綺麗な方のベッドに寝せて、見守っていたら、デュースは無事目覚めてくれた。声をあげさせてしまったせいで、喉を痛めていたようなので、グラスに注いだ水を持ってきた。デュースはそれをこくりと飲み込み、俺に答える。
「だい、じょうぶって言いたいとこだけど……さ、さすがにちょっと、キツいな……」
「……すまない。終わりが、分からなかった」
「はは……。だいたいは一回か二回、多くてもたぶん、三回くらい一緒に気持ち良くなったら終わりだぞ……。先に教えとけば良かったな……」
「……」
それだと俺はずいぶんな狼藉を働いてしまったらしいな、と落ち込んでしまう。だけど、デュースはそんな俺の肩に寄りかかってくれた。
「でも、気持ち良かった。……すごかったよ、シルバー」
「そう、なのか?」
「ん。うちの王子さまはなかなか激しいんだなって分かったし……、悪くなかった」
「……」
なー? といたずらっ子のように笑うデュースからぷにぷにと頬をつつかれる。とはいえ、俺がやりすぎてしまった以上、返す言葉もない。
「上手に出来たな、シルバー?」
いい子いい子と頭を撫でるデュースの言葉に照れていると、なあ、シルバーは? とデュースに感想をねだられた。
「……刺激が強かった」
「ふはっ、なんだそれ」
「君の、今こうしている、普段の……、俺をからかってくるような、余裕のある姿と、俺に、どうしようもなくされてしまっている姿の、ギャップがすごくて……なんというか……」
「うん」
デュースの手が、俺の手に重なる。
「……好きだ、と思った」
「ん。僕も好き」
デュースの唇が、ちゅ、と俺の唇に重なった。
「な。またしような、シルバー。……たっぷり時間取れるときにさ」
「……ああ」
「好きな人とこういうことするの……できるのもさ、幸せなことだって思うから」
「ああ。……俺も、そう思う」
「いっぱい幸せになろうな、シルバー」
「もちろん、望むところだ」
こうして俺はまたひとつ、デュースから新たな幸せの形を教わることができたのだった。
*おしまい
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